阪神逆転Vのキーマン 他球団が「高橋宏斗と同じぐらい攻略困難」と評す左腕は
復活劇でVに導いた右腕
復活劇で優勝に導いた救世主で思い出すのが、かつてヤクルトでプレーした荒木大輔氏だ。1988年のシーズン途中に右肘痛を発症し、トミー・ジョン手術を受けたが、リハビリ中に腱を切って翌年に再手術。椎間板ヘルニアも発症するなど89年から3年間一軍登板なしに終わった。92年の9月に1541日ぶりの復帰登板を果たすと、10月3日の中日戦に先発して7回無失点で4年ぶりの白星をマーク。同月10日の阪神戦でも5回1失点で2勝目を挙げ、14年ぶりのリーグ優勝を飾った。93年も7年ぶりの完封勝利を挙げるなど、8勝4敗、防御率3.92をマーク。日本シリーズ・西武戦では初戦に先発して白星を挙げ、日本一に貢献した。 荒木氏は故障から復帰後、マウンド上で心境が以前と変化したことを週刊ベースボールのインタビューで明かしていた。 「ただただ、野球をできることが楽しかった。遠足前の子どもじゃないけど、ワクワクする気持ちばかり。ケガする前は『打たれたらどうしよう』『明日は大丈夫かな』という不安の気持ちが大きかったんですよね。だけど復帰後は打たれる怖さがまったくない。どんなにピンチになってもなんとも思わなくなりましたね。極端に言えば草野球でプレーしているような気持ちですよ(笑)。ピンチで落合博満さんを迎えても、『ここで落合と対決だよ』と思っていましたからね」 同じように故障から復帰した高橋がどのような心境で打者と対峙しているか、気になるところだ。 写真=BBM
週刊ベースボール