できない社員を排除するリーダーになっていませんか? 新しい「勝てる組織」のつくりかた
組織を強くしていく「じゃない方リーダー」思考
次に、強くなるチームづくりは“ムードづくり”と“空間づくり”と連動しています。 甲子園の優勝校は、監督と球児の関係がとても良好だったりしますよね。 これは、試合で采配を振るう前に、リーダー(監督)のチームマネジメントが「優勝」しているとも言えるのです。 では、どうすれば組織に良いムードと空間が生まれるのでしょう? 講師になって14年、僕はテレビ番組でおなじみの「じゃない方芸人」ならぬ、「じゃない方リーダー」を心がけてきました。 じゃない方リーダーとは、ビジネスシーンで一般化されてきたリーダー像の“じゃない方”を試してみる手法。 例えば、社会では長らく「リーダー=権力者」という概念が定着してきました。 これを“じゃない方”で思考してみると、「リーダー=そんなに偉くない」という別解が生まれます。 さらに考えを深めていくと、「組織のトップこそチームの土台になるべきかも?」などといった趣向が発芽し、イノベーティブな組織をつくるキッカケが生まれやすくなるんです。 吉本興業から講師を拝命したとき、芸人学校は礼節に厳しく、講師もどこか恐れられている存在のように思いました。 そこで僕は、ネタ終わりの「ダメ出し(講評)」を、まず良い点からふれていく「ホメ出し」という発想に換えたり、授業は「背筋を伸ばして体育座り」だった決まりを、「一番ラクな体勢で聴けばOK」といったルールに変えたりなど、空間とムードづくりを試みてきました。 今年はついに、Yogibo(ヨギボー)に寝そべって授業を受けている生徒がいたので大笑いしたほどです。 僕の組織マネジメントもまだまだ道半ばです。共に悩み、考え、成長していきましょう。 ではまた来週。 桝本 壮志/Soushi Masumoto 1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。
COMPOSITION=古澤誠一郎 TEXT=桝本壮志