柳葉敏郎『一世風靡』メンバーから「田舎のオヤジ役がハマる希少な俳優」になれた“40代の決断”
田舎のオヤジっぽさを売りにできる芸能人
洗練された都会っぽさを志向する人が多い芸能界で、こうした生き方は異彩を放つ。また、田舎暮らしに憧れる人はいても、現実はなかなか厳しい。それだけに、地元に根を張った彼の生き方は羨望や郷愁をもたらし、役者としても新たな味になっているのではないか。 よく考えてみたら、田舎のオヤジっぽさを売りにできる芸能人はいまや希少価値。彼は吉幾三の後継者的ポジションともいえる。和田アキ子にすら心配されるほどのやんちゃな酒癖も『ブギウギ』の芝居ではよい感じに生かされていた。 芸能界では藤あや子や佐々木希らと『秋田県人会』を立ち上げ、故郷の魅力をアピール。3人で出演した『ボクらの時代』(フジテレビ系)では、まだスキャンダル前だった佐々木の夫・渡部建(アンジャッシュ)について「いいやつ」だと褒めていた。もはや、洗練された都会っぽい路線など不可能な渡部も、妻ゆかりの秋田で出直せばなんとかなるかもしれない。 筆者の地元・岩手でも「エロ詩吟」の一発屋・天津木村(出身は兵庫)が移住してきてメイン番組を持ったり、CMに出たりしている。田舎は都会からの流れ者に、わりと優しいのだ。 なお、柳葉の妻は当初、秋田移住に乗り気ではなかったらしい。それも彼の仕事が順調なことで、結果オーライとなりそうだ。 宝泉薫(ほうせん・かおる)●アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。