都電荒川線の新型「7700形」公開 クラシック調の深緑の車体
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東京都交通局は28日、デビューが予定されている都電荒川線の新型車両「7700形」を荒川車庫(東京都荒川区)で一般公開した。老朽化した「7000形」の車両を改良したもので、クラシック調の深緑のカラーリングが特徴。生まれ変わった新型車両をいち早く見ようと、多くの鉄道ファンや住民らが集まった。
老朽化した7000形の車両を改良
同局が運行する都電荒川線は、昨年9月に新型車両8900形がデビューしたばかり。近年、高齢化社会ということもあって、駅をはじめ公共交通機関ではバリアフリーが徹底されてきているが、そうした面から路面電車の役割は見直されており、都電荒川線にも新型車両の導入が相次いでいる。
7700形は、老朽化した7000形の車両を改良したもので、7000形よりも車内に手すりと押しボタンが増えている。これまで手が届かずに押しボタンに苦労していた高齢者でも楽にボタンを押すことができるようになった。さらに乗車口も広くなり、ベビーカーを押す若いママでも乗り降りしやすくなっている。 車内照明はLEDを採用して省エネルギー化を促進したほか、VVVF(可変電圧可変周波数)制御装置を搭載したことで、効率的に電力を使用して電車を走らせることができるようになった。 車体デザインは、プロジェクトチームの検討によってクラシック調の深緑に決定。都電全盛期を彷彿させるカラーリングは、昨年に導入された8900形とは別の印象を与える。詰めかけた鉄道ファンや住民らが、“生まれ変わった姿”を熱心にカメラに収めていた。
5月をメドにデビューか
今回の一般公開では、通常は土日祝のみ一般開放される荒川車庫前の「都電おもいで広場」も特別開放されて、記念グッズの販売などが行われた。 7700形の正式なデビュー日は決まっていないが、東京都交通局は「今年5月をメドに営業運転を開始したい」としている。また、来年度までにカラーリングの異なる7700形が順次導入される。 (小川裕夫=フリーランスライター)