ホンダの売れ筋SUVがマイナーチェンジ!ヴェゼルの新機種「ハント」のインテリアが挑戦的だった
■360°水平基調になった新ヴェゼル ホンダは4月25日、コンパクトSUV「ヴェゼル」のマイナーチェンジを発表、4月26日より発売する。販売計画台数は、月間5000台だ。 【画像】新機種「ハント」のシートがスゴイ 2021年4月にフルモデルチェンジした2代目ヴェゼル。初代から継承されるスポーティなデザインと上質で爽快な走り、さらに使い勝手も兼ね備えた多面的な魅力を持つアーバンSUVだ。 その初となるマイナーチェンジでは、内外装のデザインを変更。エクステリアでは、まずフロントグリル/バンパーの意匠を変更し、グッと押し出し感のある表情になった。リヤコンビランプは一文字を強調するフルLEDタイプに。これらにより、フロントグリルからボディサイド、そしてリヤまで360°水平基調のキャラクターラインを際立たせている。 そしてインテリアでは、前席センターコンソールを従来型の「C」型から左右対称デザインに変更。センターコンソールを運転席、助手席の双方から同じく使えるようになった。上段の収納スペースには、スマホが縦に2つ入るほどの容量。使い勝手を高めている。 ラインアップは、下記のとおり。 〈e:HEV〉1.5L ハイブリッド ・e:HEV Z PLaYパッケージ FF:355万6300円 4WD:377万6300円 ・e:HEV Z FF:319万8800円 4WD:341万8800円 ・e:HEV X HuNTパッケージ FF:299万8600円 4WD:321万8600円 ・e:HEV X FF:288万8600円 4WD:310万8600円 〈ガソリン車〉1.5L ・G FF:設定なし 4WD:264万8800円 ガソリン車は4WDのみ残された。これは、先日発売されたWR-VがFFのみであり、「コンパクトなSUVで、ガソリン車の4WDが欲しい」というニーズに対応するためだ。また今回、e:HEV Xとe:HEV Zに加えて、「e:HEV Z PLaYパッケージ」と「e:HEV X HuNTパッケージ」の2つが新設定となった。 ■「PLaY(プレイ)」刷新、「HuNT(ハント)」新設 まず「e:HEV Z PLaYパッケージ」は、従来「e:HEV PLaY」と同じく2トーンカラーを採用したモデル。フロントグリルに配置したトリコロールのアクセント配色を変更したほか、ドアロアガーニッシュはアクセントを効かせたブルーだ。内装はグレージュの色味を変更して黒とのコントラストを際立たせるとともに、ピンストライプ/ステッチにライトブルーを効かせた爽やかなコーディネートとしている。 2代目ヴェゼルの登場時、部品調達の遅れもあって超納期が発生、最終的に受注停止にまで至った「e:HEV PLaY」。特に専用の大型パノラマルーフの調達が難しかったというが、それだけでなく「PLaYの見た目が好き、でもパノラマルーフはいらない」という声もあったそう。それらをふまえ、マイナーチェンジ後の「e:HEV Z PLaYパッケージ」では充実装備はそのままにパノラマフールをオプション化。価格は、パノラマルーフなしで約14万円ほどアップしている。なお、現在パノラマルーフを含む部品調達の遅れは緩和されており、以前のような超納期にはならないとのことだった。 そしてもうひとつの注目ポイントは新機種「e:HEV X HuNTパッケージ」だ。「HuNT」は「ハント」。都市も自然もアクティブに楽しんでほしいという新たなパッケージは、ルーフレールの採用に加えて専用のアルミホイールやカッパー・メタリック塗装のフォグライトガーニッシュなどを専用装備。なおホイールサイズは「Z系」の18インチに対して、「X系」は16インチとなる。 「e:HEV X HuNTパッケージ」は、インテリアにもこだわっている。プライムスムース×ファブリックのコンビシートに、専用カラーのカーキ&ネイビーが特徴。多色使いでなかなかチャレンジングな装いだ。ファブリック素材には、撥水・撥油機能のあるファブテクトを採用、機能面も訴求している。 なお今回のマイナーチェンジを機に、後席センターアームレストを引き出しやすくする取手も追加。さらに後席ヘッドレストも大型化されている。 ■パワートレーンやシャシーも進化 e:HEVは、日常のほとんどをモーターで走行するホンダ独自のハイブリッドシステム「シリーズパラレル切り替え式」だ。低速域でアクセルを踏み込んだ瞬間から力強く駆け出し、気持ちよく車速を伸ばしていける爽快感が特徴だ。そのシステムは、今回IPU(インテリジェントパワーユニット)のエネルギーマネージメント制御を見直すことでエンジン始動回転、停止頻度を従来よりも大幅に低減。さらにPCU(パワーコントロールユニット)の制御もアップデートし、アクセルレスポンスを向上させている。 なお、ガソリン車の1.5Lエンジンは従来そのままである。 全車で選べる4WDシステム「リアルタイムAWD」にもテコ入れ。滑りやすい路面でのトラクションコントロールのブレーキ介入タイミングを見直すことで、より安心感のある発進・加速を追求しているという。 シャシー面では、e:HEVモデルのダッシュボードやルーフ、フロア各遮音材と防音材の厚み、さらに配置も最適化することでエンジン始動音やロードノイズを低減させて静粛性を向上。また、e:HEVのFF車はダンパー減衰力を緻密に見直すことでフラットで無駄のない動きを追求、より快適な乗り心地を目指している。 ■ホンダセンシングの機能向上・追加 安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全車に標準装備。従来の衝突被害軽減ブレーキ、路外逸脱抑制機能、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援システムの機能向上に加えて、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、急アクセル抑制機能、アダプティブドライビングビームの機能を追加した。 ■2トーンは「PLaY」専用のボディカラー 新色としてシーベッドブルー・パールを設定。さらにヴェゼルとして新採用となったスレートグレー・パールとボタニカルグリーン・パールの2色を含む全7色展開とした。2トーンカラーは、従来同様にe:HEV Z PLaYパッケージ専用だ。 〈G/e:HEV X/e:HEV Z) プラチナホワイト・パール ★1 プレミアムサンライトホワイト・パール ★2 スレートグレー・パール ★1 クリスタルブラック・パール プレミアムクリスタルレッド・メタリック ★2 シーベッドブルー・パール ★1 ボタニカルグリーン・パール ★1 〈e:HEV X HuNTパッケージ〉 プラチナホワイト・パール ★1 スレートグレー・パール ★1 クリスタルブラック・パール シーベッドブルー・パール ★1 ボタニカルグリーン・パール ★1 〈e:HEV X PLaYパッケージ〉2トーンカラー プレミアムサンライトホワイト・パール&ブラック ★3 スレートグレー・パール&ブラック ★4 ボタニカルグリーン・パール&ブラック ★4 クリスタルブラック・パール&シルバー シーベッドブルー・パール&シルバー ★4 ※★1:3万8500円高 ★2:6万500円高 ★3:4万9500円高 ★4:2万7500円高 ◇◇◇◇ 新機種の追加もあり、じつに戦略的なマイナーチェンジ(価格はやはり上がってしまったが)。ハイブリッドの設定や質感、見栄えを重視したい人に向けて、WR-Vとしっかり差別化したのが今回のマイナーチェンジの内容だ。 〈文=ドライバーWeb編集部〉
編集部(k-kakizaki)