中国、過剰生産で経済・地政学的影響力を行使 米が警告
Andrea Shalal [ワシントン 17日 ロイター] - 米ホワイトハウスのシン国家安全保障担当副補佐官(国際経済担当)は17日、中国が世界市場を支配するために必要以上の製品を生産しているとし、米政府は関税などの措置でこうした慣行を抑制すると述べた。 米製造業提携協会(AAM)主催のイベントで、中国が市場支配力を強めることで経済・地政学的な影響力を行使しているとし、「抽象的な問題ではない。数字に表れている」と指摘。 電気自動車(EV)やバッテリー、半導体の需要見通しに比べ、中国が大幅な過剰生産能力を抱えていることがデータで示されているとした。 また「中国の補助金は比類のない水準と拡大ペースを見せている」とし、ブラジルやインド、南アフリカ、欧州連合(EU)など「ますます多くの国」が米国と同様、過剰生産能力を重要な問題ととらえつつあると述べた。 「中国は世界の需要が吸収できる量をはるかに超える供給を戦略的部門に氾濫させ、競争相手を一掃している」とし、鉄鋼、太陽光、医療機器の分野で20年間用いてきた手法をEV、半導体などにも拡大・強化していると指摘した。 イエレン米財務長官も同日、米外交問題評議会のイベントで、中国各省がクリーンエネルギーや半導体などへの投資拡大を競っていると指摘。「補助金の額は膨大だ。赤字企業も多数存続しているため、これらの地域で建設を目指す米国の試みを脅かす膨大な過剰生産能力が存在する」と述べた。