【高校野球ベストシーン’23最終回・埼玉編】昌平と花咲徳栄の準決勝は、両チーム合わせ25安打の猛攻撃を見せた「ザ・打撃戦」
2024年が幕を開け、センバツの足音も聞こえはじめてきた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出す企画は、埼玉で締めくくる。 【一覧】花咲徳栄vs昌平 夏の大会準決勝のスタメン 【選手権埼玉大会準決勝・花咲徳栄vs.昌平】 これこそが「ザ・打撃戦」だった。昨年夏の埼玉県準決勝、花咲徳栄と昌平の試合は、打撃が得意な両チームらしく、快音が響き渡る「打ち合い」だった。 昌平が1回に1点を先制すれば、花咲徳栄は2回に同点とする。その裏に昌平が2点を勝ち越すと、3回には花咲徳栄が1点を返す。互いに主導権を相手に渡すまいと、自慢のバットで得点を重ねた。 5回に花咲徳栄が3点を奪って逆転、7回にも1点を追加し、6対3とややリードを広げかけたが、7回裏に昌平が反撃。2点を返して1点差とする。9回も互いに1点ずつ取り合って、結局、7対6で花咲徳栄が勝利。最後まで試合の行方が読めない、ファンからすれば見ごたえのある打撃戦だった。 両チーム合わせて25安打。花咲徳栄は4回以外、すべて走者を出した。3回には石塚 裕惺内野手(2年)、9回には途中出場の上原 堆我投手(2年)が本塁打を放つなど、12安打で7得点。9回の上原の一発が効いて逃げ切った。 昌平も意地を見せた。3回を除いて毎回安打の13安打。スタメン中、8人が安打をマークして相手を苦しめた。 新チームが結成された22年秋から、昌平は埼玉県で無敗を誇ってきた。秋は浦和学院を決勝で下して優勝。23年春も、またも決勝で浦和学院を下して優勝していた。悲願の春夏通じて初の甲子園出場が期待されたが、埼玉県内初の1敗が最後の夏の準決勝だった。 新チームとなった23年秋、昌平と花咲徳栄が再び対戦したのは県の決勝だった。そこでも再び、打撃戦の末に8対5で花咲徳栄が勝利している。この2チーム、今年の「因縁の対決」となる予感がする。(おわり)