国内株価の最高値更新! 新NISAの投資先選定でも参考にしたいGPIF運用機関が選ぶ優れた統合報告書
2018年1月にGPIFの運用委託機関から「優れた統合報告書」の評価を多くの機関から受けている伊藤忠商事は、その評価が公表開始された2018年頃から、TOPIXに対して明らかなアウトパフォームが観測される。そして、ESG投資が機関投資家の間で一つの潮流となった2020年以降に伊藤忠商事の株価は大きく上昇する。2020年8月には米国で「投資の神様」といわれるウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが伊藤忠商事をはじめ日本の商社株を大口で取得していることが明らかになり、2023年6月までにさらに買い増ししていることも報告された。そのことが、同社株をはじめ日本株全体の割安さを印象付けて日本株の上昇を促した要因の1つに数えられる。
バフェット氏が投資した商社株は、伊藤忠商事のみならず丸紅、三菱商事など大手商社5社に及んでいるため、統合報告書の内容が優れていることが、バフェット氏の投資決断を促したとはいえないが、「優れた統合報告書」として連続して選定されている日立製作所もアサヒグループホールディングスも、2013年1月以降の株価の推移では、いずれもTOPIXを上回るパフォーマンスを記録している。折から、国内株価は2月22日に日経平均株価が34年2カ月ぶりにバブル期の最高値を更新し、史上最高値に躍り上がった。この上昇の背景には、日本企業の変革があるといわれるが、その大きな変化を象徴することの1つが統合報告書が明らかにする非財務情報開示の充実だろう。GPIFが7年にわたって地道に重要性を訴え続けた「統合報告書の充実」が上場企業の間で根付いてきたことも日本企業の大きな変化の1つに数えられる。(グラフは「統合報告書」が優れた企業の株価推移)
ウエルスアドバイザー