「自公維の連立」可能性が少し高まった…政治資金規正法案修正巡る「政治決着」〝口だけ〟立民が最大の功労者という皮肉
【日本の解き方】 政治資金規正法改正案の修正をめぐり、岸田文雄首相は、公明党の山口那津男代表や日本維新の会の馬場伸幸代表とそれぞれ会って調整を行った。 【画像】次期衆院選での「政党議席予測」(5月27日時点) その後、自民党が国会に提出している改正案を再び修正し、6日の衆院本会議での可決を目指すことになった。 立憲民主党は自民党を攻めたかったが、結局、政治資金パーティーの全面禁止は〝口だけ〟であることが分かってしまった。岡田克也幹事長や大串博志選対委員長ら党幹部がパーティー開催を予定していたことが発覚したからだ。 これで、自民党は少しの修正で乗り切られると踏み、公明党や維新も立憲民主党の反対の力を背景とした強硬論を主張しにくくなった。この意味で、今回の自民党の修正案の最大の功労者は立憲民主党ともいえるのではないか。 自民党は最終的に政治資金パーティー券購入者の公開基準について、当初「10万円超」としていたが、公明党案をのんで「5万円超」に引き下げた。 パーティー券の公開対象は、寄付のように年間の合計ではなく、1回ごとの購入額だ。このため、パーティーの開催回数を増やすと自民党案にも近くなる。 政策活動費については、公明党の第三者機関設置案に同意し、維新と「年間の使用上限を設定し、10年後に領収書、明細書等とともにその使用状況を公開する」という内容の合意文書を結んだ。 だが、自民党の修正案には使途と領収書の公開対象を「50万円超」の支出に限る規定が盛り込まれていた。維新がこれに反発したことから、この規定を削除し、全支出を対象とする再修正を余儀なくされた。 それ以前の問題として、政治家は「項目別の金額及び年月」を会計責任者に通知すればよく、誰にいくら渡したかが分かる領収書がいらない仕組みとなっているとの指摘もある。それならば、いくら公開を義務付けても無駄だ。 筆者は、いくら自民党案を修正しても抜け穴があると思っていたので、皮肉を込めて言えば、落胆はしないが、国民の納得を得られるだろうか。 一番単純な解決策は、政治資金の非課税を改めて「全て課税」にすればいい。領収書がなければ経費認定ができずに重い課税になる。これは民間と同じなので世間の納得を得やすいはずだ。この場合、第三者機関は税務署になるが、税務署に提出した領収書を一定期間後に公開するようにすればいい。