芸人の誰もが認める鋭い「正論」 永野にマツコ級「天下取り」の予感【今週グサッときた名言珍言】
【今週グサッときた名言珍言】 「デリケートな時期の人には優しいんですよ」 (永野/TBS系「私が女優になる日」3月23日放送) 日テレ「イッテQ!」に蔓延する驕りとコンプラ不全 コンゴ民主共和国大使館が放送内容に激怒 ◇ ◇ ◇ 昨年後半あたりから永野(49)の勢いがすさまじい。舌鋒鋭く相手の急所を突くようなトークで、バラエティー番組を席巻している。そんな中、女優の卵たちにレクチャーする番組に呼ばれた永野は、その鋭さはそのままに、真摯に彼女たちに向き合い、アドバイスを送っていた。その際、永野が放った一言が今週の言葉だ。 彼の“講義”を聞いていたニューヨークの屋敷は「永野さん、スゴいことになる気がする。ここ5年以内くらいに。マツコ・デラックスさんみたいな売れ方する気がしてきた。とんでもない人になると思う。天下取っちゃうんだろうね」と絶賛した。 永野は彼女たちに繰り返し「売れること」の重要性を説いている。例えば下北沢で知る人ぞ知る伝説の女優。「ああいう人って気を張ってるけど、バイトしてるじゃないですか。でも『それでいいんだ』って(松田)優作がいた店とかで飲んでる。思いません? 下北沢のバーとバイト先と劇場行ってるだけの人間と、売れて、いろんな裏切り、自分の中の負の感情、見たくもなかった景色を見ている人。どっちの芝居を見たいですか?」と。 かくいう永野も売れたことで苦しんだ経験がある。自分の本来の芸風とは違う「ラッセン」のネタで売れ、そればかりを求められるようになり、やがて仕事も減った。 コロナ禍前が一番キツい時期だったが、一度「売れた」ことで拾ってくれる人がいた。コロナ禍で急激に影響力を持ち始めたネット配信番組に呼ばれ、本当の自分で話すことができたのだ。 「自分が話す内容は、高校時代の友だちとしゃべっていたようなことなんです。当時から目の前のやつを一発で負かす言葉をずっと考えてきました。だから悪口が湯水のように湧いてくる(笑)」(ジンズホールディングス「JINS PARK」24年4月2日) そうして再び注目され“復活”を果たしたのだ。永野が「天下を取る」と言っているのは屋敷だけではない。鬼越トマホークの坂井は「永野さんの言うことは全部正しい」(テレビ東京系「あちこちオードリー」24年1月24日)と評す。「今これだけテレビで思ってることを言える人って永野さん以外いない」(テレビ朝日系「令和ロマンの娯楽がたり」23年12月28日)と語るAマッソの加納や、令和ロマンのくるま、ダウ90000の蓮見も、天下を取ると称えている。 そんな彼らに「リアル天下は、大手事務所の芸人」(同前)と身もフタもないことを言い放つ永野は、やはり鋭くて正しい。 (てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)