大阪・関西万博パビリオンに蒜山の茅 地元組合が300束を発送
2025年大阪・関西万博に建設されるパビリオンの屋根に、岡山県真庭市蒜山地域に群生する茅(かや=ススキ)が使われる。地域住民が山焼きをするなどして守り継いできた草原地ならではの貴重な自然資源。出荷した地元組合は「茅や蒜山に注目が集まるきっかけになれば」と期待する。 蒜山の茅が使われるのは、会場中心に位置する「シグネチャーパビリオン」の一つ「EARTH(アース) MART(マート)」。放送作家の小山薫堂さんがプロデュースし、設計は建築家隈研吾さんが担当する。茅葺(ぶ)き屋根が目を引くユニークな建築で、茅は熊本、滋賀県などからも仕入れるという。
蒜山では農家らでつくる「蒜山茅刈出荷組合」が、約1年前に地元の中高生らと一緒に収穫した良質な茅を荷造り。11月末に300束(約1・5トン)を大阪へ向けて発送した。 組合は、茅刈りを通じた貴重な草原環境の保全や農閑期の所得向上を狙いに、20年度に設立。春には山焼きにも取り組んでいる。組合長の高畠望さん(48)=真庭市=は「私たちの身近な植物が万博で使われるのはうれしい。これを機に、茅刈りに関わってくれる人が増えてほしい」と話した。