過疎高齢化進む4世帯8人の集落は「ヘゴ自生群落」が見られる希少な地…誇るべきふるさと再生目指し官民一体の協議会設立 散策路整備や情報発信強化へ 西之表
鹿児島県西之表市国上の「ヘゴ自生群落」の観光価値を高めようと、市と地元集落が運営協議会を立ち上げた。県による駐車場やトイレの整備が計画されており、管理や観光プロモーションのあり方を協議していく。官民一体で持続可能な観光地づくりを進める狙いだ。 【写真】ヘゴ自生群落地を地図で見る
ヘゴ自生群落は市指定の文化財。年間約9000人が訪れ、「日本の水浴場88選」で知られる浦田海水浴場とともに、種子島の北部観光の中核を担う。一方で、管理は地権者に任せており、高齢化や人手不足で大きな負担が生じていた。 18日の設立総会には市や地元集落、観光、自然保護の関係者約20人が出席。2025年度にも実施される県の整備計画を確認し、川沿いにヘゴが自生する林道約1キロを散策ルートとして活用することで一致した。市側はウッドデッキや遊歩道も造りたい考えを示したほか、解説板の新設、情報発信のためのPR動画制作なども予定している。 ヘゴ自生群落がある寺之門集落の太田地区は、かつて40~50人が暮らしていたが、現在は4世帯8人になったという。最も若くて70代と急速に過疎化が進む。協議会会長に就いた横山隆二集落長(63)は「種子島の自然を知る教育の場でもある。たくさんの人が集まり、活気が生まれる場所にしたい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島