「甘やかされた子どもは好かれない」アドラーが断言する、教育において大事なこと7選
フロイト、ユングと並ぶ「心理学三大巨頭」の一人、アルフレッド・アドラー。「すべての悩みは、対人関係の悩みである」と断言し、その悩みを解決するシンプルかつ具体的な方策を提示するアドラーの心理学は、ビジネスをはじめ幅広い分野に活用されている。人と社会について本質を鋭く突くアドラーの言葉こそ、混迷の時代を生きる私たちの生きる道標になるはずだ。『超訳 アドラーの言葉』より、一部を抜粋・再編集して紹介する。 【写真】「怒るのは、他人を支配したいから」「妬む人は責任転嫁をするから」心の不安定に効く、アドラーの名言6選
体罰はしてはいけない
あらゆる体罰に対して、私は反対の立場をとることを知っていただきたい。 私は、相手に変化を促すときも、その子の児童期初期の状況を知ろうとし、「説明」や「説得」を用いる。私とは逆のやり方、つまり子どもを叩いたりして、どんないい結果が得られるというのか。 この子が学校で失敗したからといって、それが彼を叩く正当な理由にはけっしてならない。この子が文字を読めなかったのは適切な教育を受けてこなかったからであり、彼を叩いたとしても教育効果は望めない。この子が「失敗したら叩かれる」と学ぶだけで、不快な状況から逃げるために、学校をズル休みするといったような学習しか生まれない。 「叩く」という状況を、子どもの視点から見てみるといい。そうすれば、これは「つらい、苦しい」という感情を増やすだけだということがわかるだろう。
誰でも、どんなことでも、達成できる
アドラー心理学の見解は、「誰であっても、どんなことでも、達成できる」だ。 これは民主的な宣言であり、なおかつ優秀な子どもたちにとっては、肩の荷を下ろすような見解だ。 優秀な子どもたちは、いつだって大きな期待をかけられ、特別な存在であるべきだとも思い込んでいる。そんな子に対して指導者が、「誰であっても、どんなことでも、達成できる」と信じ、それを示せば、優秀でありながら、謙虚な性格の子どもに育つだろう。 彼らは、自分の成果は、努力や幸運のおかげだと思うことができる。そのまま努力すれば、不可能なことはないと思える。 しかし、たとえ環境や能力が不足していたとしても、教師が正しい方向に教育すれば、成果を出すことができるのだ。