3930万円から味わえる世界は強烈!!! 新型マクラーレン750Sの走りは意外なほど……だった!!!
マクラーレンの新型「750S」に、大谷達也がポルトガルで試乗した! 【写真を見る】新型750Sの詳細(42枚)
720Sから大きく進化
「750S BENCHMARK. BEATEN. 」 プレゼンテーション会場の背景には、そんな文字が描かれていた。BENCHMARK=ベンチマークとは、おそらくおなじマクラーレンの「720S」のこと。そしてBEATENは“破られた”の意味。つまり、これまでスーパースポーツ界のベンチマークとされていた720Sが、その進化版である750Sによって破られたことを表現しているのだろう。 簡潔だけれども奥深い表現は英語だからこそできるもの。イギリス人の粋なセンスに、脱帽する思いだった。 マクラーレン750Sは、既存の720Sを大幅に進化させたモデル。見た目はあまり変わらないように思えるが、合計で30%ものパーツが新設計されたか仕様を変更したとされる。 たとえばエンジンの最高出力は30ps引き上げて750psとするいっぽうで、車重は720Sを30kg下まわる1277kg(もっとも軽い仕様の乾燥重量)に仕上げられた。マクラーレン自身の言葉を借りれば、これは「直近の競合車を193kg下まわる」ものという。ちなみにフェラーリ「296GTB」のスペックシートには乾燥重量が1470kgと記されている。ちょうど193kg差だ。 マクラーレンが得意とするエアロダイナミクスにしても、720Sからの改善が図られている。たとえば可変式リアウィングは表面積を20%ふやしてダウンフォースを増強。これに呼応するカタチでフロントセクションの形状を見直すことで、前後で発生するダウンフォースのバランスをとったという。 マクラーレン独自のアクティブサスペンションであるプロアクティブ・シャシー・コントロール(PCC)は720Sの第2世代から第3世代へと進化。もともと定評のある快適性を維持したまま、ダイナミック性能をより高める設定へと改められた。 進化の跡はコクピットにも見られる。ハンドリングとパワートレインのモード切替を、これまでのセンターコンソールからメーターパネルの上側に移動。しかも、メーターパネルはステアリングと連動して位置調整できるメカニズムのため、ステアリングに両手を乗せたままいつでもモード切替できるようになった。 いっぽう、さまざまなドライビングモードをあらかじめ設定しておけば、それをボタン操作ひとつで引き出せる「マクラーレン・コントロール・ローンチャー」は、750Sで初めて紹介された新機能である。 なお、750Sにはクーペとスパイダーの2タイプが設定されており、ポルトガルのエストリル・サーキットを中心に行われた国際試乗会にはクーペとスパイダーの両方が用意されていた。ちなみに日本での価格はクーペが3930万円、スパイダーが4300万円だ。