停滞する韓国外交、国際信頼の危機…「大統領退任ロードマップ」提示が急務
【12月09日 KOREA WAVE】「非常戒厳」宣言を受け、韓国政府と与党「国民の力」が「大統領の職務停止や権限行使をせずに国政を運営する」という計画を発表した。しかし、9日現在、この対応策が外交において実効性を欠き、韓国外交が深刻な停滞に直面する可能性が指摘されている。 最大の問題は、外交問題における「最終決定権者」が不明確である点だ。大統領の法的権限が維持されたまま、「国民の力」のハン・ドンフン(韓東勲)代表やハン・ドクス(韓悳洙)首相が下す決定を他国が無条件で受け入れることは難しい。一方で、大統領との連携によって決定を下し、それを相手国に伝える形では、政府・与党が国民に示した「大統領不介入」の約束を破ることになる。 こうした状況の中、政府・与党は外務省と協力し、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の退任に関する具体的な「ロードマップ」を外交相手国に提示する必要性が高まっている。ロードマップがあれば、相手国は韓国との重要な外交交渉や決定をいつまで保留すべきかを判断でき、その間に許容される決定の範囲も把握可能となる。 専門家は、このロードマップを野党との合意を経て「非常に詳細かつ具体的」な内容で決定し、相手国と共有する必要があると指摘する。これが欠如すれば、韓国外交への信頼が損なわれる恐れがあるからだ。 特に来年は、1月20日の第2次トランプ政権発足を手始めに、6月の日韓国交正常化60周年、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)など、重要な外交イベントが続く。これらの場面での韓国の不在は、国際社会での地位低下を招く恐れがある。 最も重要な問題の一つが、トランプ氏の再登板後に予定される米韓首脳会談だ。現在の状況では、ハン首相が大統領権限を有していないため、米国がハン首相との会談に応じる可能性は低い。さらに、トランプ氏がユン大統領と会談することも、韓国国内の世論や政治的状況を考慮すれば現実的に困難だと予測される。 外交関係者の間では、大統領の任期短縮を明示した「ロードマップ」に、国政が「正常化」する時期を明確に記載することが求められている。「大統領の早期退任」における「早期」が曖昧なままでは、相手国との円滑な外交交渉が難しくなるためだ。 ある外交関係者は「現時点で相手国が誰と、いつ会談すべきかすら明確ではない」と述べ、混乱が拡大していることを指摘した。また、匿名を希望した外交専門家は「大統領の不在のみならず、国家安保室の機能も停止している状態で、『ロードマップ』が提示されなければ、二国間関係のみならず多国間交渉でも韓国は排除され続ける」と警鐘を鳴らした。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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