ぎっくり腰の対処法を専門家に聞く「腰痛のケアに“入浴”は効果なし!」
突然の痛みが襲うぎっくり腰。30~40代にもなると、前ぶれもなく襲う激痛に苦しんだ経験のある人も多いのではないだろうか。
今回は、ぎっくり腰になったときの対処法や治療法について、東京神田整形外科クリニック院長の田邊雄先生に話を聞いた。
激痛が襲うぎっくり腰。痛みのピークは?
――そもそもぎっくり腰はどんな病気で、どんな痛みが襲ってくるんですか? ぎっくり腰は正式な病名ではなく、「急性発症する腰痛」の総称です。具体的には、腰を支える筋肉や関節、椎間板、神経、腱、靭帯などで起こる、比較的軽微な損傷による腰痛を指します。 比較的に軽微とはいえ、ぎっくり腰を発症すると強烈な痛みがあり、立ち上がることさえ困難になるため、発症したときはかなり絶望的な気持ちになると思います。 ――痛みのピークはどれくらいでおさまりますか? 発症当日の痛みを100%とすると、2、3日くらいで60%くらいになり、1週間後には10%程度に落ち着きます。長くても2週間後には痛みはおさまるはずです。 発症当初はかなり痛みを感じますが、比較的予後(治療経過)がいいので、それほど心配はいりません。 ――ぎっくり腰は何が原因で発症するのでしょうか? ぎっくり腰は洗顔しているとき、椅子から立ち上がったとき、物を持ち上げようとしたとき、ベッドから起き上がったときになど、日常的な何げない行動がキッカケで発症します。 これらの行動に共通するのは、誰かに殴られたり、何かとぶつかったりするなどの強い外的要因で発症するものではない、ということです。
――かかりやすい人の特徴を教えてください。 ぎっくり腰の患者さんは、70~80代といった高齢者ではなく、20~50代の働き盛りの世代に多いです。 ぎっくり腰になりやすい人の特徴は、座りっぱなしや立ちっぱなし、中腰の姿勢など長時間同じ姿勢でいる人。事務職だけでなく、工場などで働いている人も要注意です。肥満傾向にある人も、脂肪の重みでぎっくり腰が誘発されやすいとされています。 ――ぎっくり腰の検査方法は? まず、ぎっくり腰の原因である仙腸関節に痛みがないかを診ます。次に足をあげるラセーグテストで椎間板ヘルニアや痺れなど神経症状の有無を調べ、その後レントゲン検査を行います。