英保守党の右傾化必至 党首選、2候補に
【ロンドン共同】7月の英総選挙で大敗し、下野した保守党は9日、辞任を表明したスナク党首の後任を所属下院議員が選ぶ最後の投票を実施した。中道寄りとされるクレバリー元外相が脱落、いずれも党内右派に人気があるジェンリック元移民担当閣外相とベーデノック前ビジネス貿易相が党員投票に進んだ。党の右傾化は必至だ。 党員投票は今月末まで続き、11月2日に結果を発表する。スナク氏は新党首が選出され次第、辞任する。 ジェンリック氏は今月上旬に中部バーミンガムで開かれた党の年次大会で「不法移民を拘束してただちに国外追放しない限り、党に未来はない」と主張した。欧州人権条約からの離脱や、同条約に基づく国内人権法の廃止が不法移民の強制送還に不可欠だと強調。移民が英国の文化や団結を「弱体化している」として合法移民の制限にも前向きだ。 富の創出を掲げるベーデノック氏は「保守的な価値観」を擁護し、市場に介入しない政府の在り方を訴えている。