【特集】シナリオライターが遊ぶ『Lobotomy Corporation』―恐怖に立ち向かい、未来を創れ。人類の可能性を切り拓くモンスター管理シミュレーション
ビデオゲームに秀逸なシナリオが盛り込まれ、それを読み解くことも遊びの一部として受け止められるようになった現代……本連載記事では、古今東西のビデオゲームを紐解き、優れたゲームシナリオとは何かを考えていきます。第15回は『Lobotomy Corporation』を取り上げます。 【画像全7枚】
韓国の開発会社Project Moonが送り出した『Lobotomy Corporation』は、モンスターを管理するシミュレーションゲームです。同じ開発元が手掛ける『Library of Ruina』や『Limbus Company』とシナリオが繋がっているので、できれば一作目である『Lobotomy Corporation』から遊ぶのが良いでしょう。
Lobotomy Corporationは、通称L社と呼ばれる電力会社のこと。「アブノーマリティ」という怪物たちを収容し、彼らからエンケファリンというクリーンエネルギーを抽出して、都市に電力を供給しています。
このアブノーマリティたちは、いわゆるSCP財団に影響を受けています。わかりやすくモンスターの見た目をしていたり、ちょっと不思議な日用品であったり、人智を超えた神話的な存在だったりと、多種多様な形を取っていて、彼らを眺めているだけでも面白いです。その危険性はまったく笑えませんが……。
もうおわかりの通り、L社はクリーンエネルギーを用いたホワイト企業……というわけではなく、職員を使い捨てまくって電力を生み出しているとんだブラック企業です。
軽い気持ちでアブノーマリティを扱う作業に入ったが最後、血の風呂に引きずり込まれたり、体が砕けるまで抱き締められたり、氷漬けにされたり、とんでもないものを見てパニックに陥ったりと、ろくな目に遭いません。アブノーマリティが脱走なんてした日には上から下までてんやわんやの大騒ぎで、そこら中に人間だった■■が散らばります。
そんな使い捨て職員を何十人も使役しながら、一日の電力ノルマを達成するのが、プレイヤーである管理人のXに任せられた仕事です。優秀なAI少女アンジェラにサポートしてもらいながら、今日も一日はりきって働いていきましょう! ……え? アブノーマリティの愛着作業を担当した同僚が首を斬られた? じゃあ次からはしなきゃいいだろ!
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