大谷翔平＝2024年9月22日

　さらなる勢いをつけて、初のポストシーズン（PS）へ。ドジャース大谷翔平投手（30）が1日（日本時間2日）、9月のナ・リーグ月間MVPに選出された。エンゼルス時代の昨年7月以来、自らの日本人最多記録を更新する通算5度目で、ド軍移籍後は初受賞。両リーグでの月間MVPは史上13人目となった。大リーグの総観客動員数も発表され、ドジャースは前年比2・7％増。大谷効果の大きさがくっきり現れた。 【写真】フリーマンの妻「夢がかなったわ」長男と大谷翔平のツーショット 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　大谷は求め続けた「ヒリヒリする9月」に爆発し、月間MVPを受賞した。エンゼルス時代の過去4度は、6月と7月が2度ずつ。9月は初選出だ。ドジャース移籍によって、9月に優勝をかけた緊張感のある試合が続いた。月間107打数42安打で打率3割9分3厘、10本塁打、32打点、16盗塁、OPS（出塁率＋長打率）1・224。本塁打、打点、長打、OPS、塁打、得点、盗塁の7部門でリーグトップだった。 　特に9月19日マーリンズ戦は歴史的な活躍だった。6打数6安打、3本塁打、10打点、2盗塁で史上初の「50本塁打＆50盗塁」となる「50－50」を達成。3本塁打＆2盗塁、5安打以上＆複数盗塁も1901年以降の近代野球では初だった。MLBのX（旧ツイッター）への投稿は、24時間で合計9840万の表示回数（インプレッション）を稼いだ。6打数6安打を取り上げた投稿が、MLBのアカウントで歴代トップ2になった。 　その後も優勝を決めた26日パドレス戦までの7試合では、得点圏で11打数10安打、打率9割9厘と神がかった数字をたたき出した。月間MVPを5度以上は史上25人目で日本人最多を更新。13人目の両リーグ受賞も当然の数字だった。 　観客動員でも、大谷効果は顕著だった。ド軍はホームで13年から30球団最多を維持する394万1251人（1試合平均4万8657人）を集め、前年の383万7079人（同4万7371人）から2・7％増だった。開幕2戦目を韓国の小さい高尺スカイドームで開催している（観客1万5928人）ため、実質伸び率はさらに高い。リーグ全体では0・8％増の7134万8366人だった。 　大谷効果は、対戦相手の球団にも恩恵をもたらした。ド軍のビジターでの観客は1試合平均3万6253人で、前年の3万2291人から12・3％も増えた。MLBは昨年から全球団と対戦する方式に変更されており、ア・リーグ球団にも経済効果は及ぶ。さらに海外での大リーグ視聴者数は昨季から18％増加。特にアジアでは32％も伸びた。一方、大谷が退団したエンゼルスは、23年が1試合平均観客が3万2600人で24年が3万1822人と2・4％減となった。 　大谷は5日（日本時間6日）から、初のポストシーズン試合となる地区シリーズに臨む。 　○…ドジャースが5日からの地区シリーズに備え、2日と3日にライブBP（実戦形式の打撃練習）と模擬試合を行う。MLB公式サイトが伝えた。実戦感覚の維持を目指す。ロハス、マンシー、スミスは、対戦相手となるパドレス－ブレーブス戦を視聴するパーティーを計画している。大谷の参加は不明だが、ロバーツ監督は「こうしたことを通じて、選手たちが絆を保つ」と話した。