「子育てしやすい」増加、母親の就労率上昇も… 父親の育休取得は低調 奈良市調査
奈良市は小学5年生以下の子供を持つ保護者を対象に令和5年度に実施した「子育てに関するニーズ調査」の結果を発表した。平成30年度の前回調査と比べ、子育てしやすいとする回答や女性の就労率が上昇しており、市は「子育て施策の成果」としている。一方、父親の育児休業取得率は増えているものの依然として低い水準で、意識啓発などが課題となりそうだ。 昨年12月に0~2歳児、3~5歳児を持つ保護者各千人、市内の小学2、5年生児童の保護者2057人の計4057人に、郵送や学校経由で実施した。回収率は52・6%。 「子育てしやすいと感じるか」の問いに、0~2歳児の世帯は57%が「そう思う」「とてもそう思う」と回答し、前回から10・9ポイント上昇。3~5歳児の世帯は5・7ポイント増の47・9%、小学生世帯も3・8ポイント増の41・7%が好意的な回答だった。理由のトップは0~2歳、小学生の両世帯が「経済的支援」をあげ、3~5歳児の世帯は「安全な環境」をあげた。 一方、子育ての環境や支援の満足度を5段階評価で聞いたところ、全年齢層で中間の3が最も多かったが、満足度が高い4や5の評価が上昇した。 このほか母親の就労率は、0~2歳児の世帯で68・5%となり前回より10・2ポイント増で、3~5歳児の世帯も6・1ポイント増の69・3%、小学生の世帯は2・0ポイント増の72・3%。全世代で母親が仕事を辞めずに子育てができる環境が整いつつあることをうかがわせた。 ただ、出生時の父親の育児休業取得では「取得していない」が0~2歳の世帯で71・2%、3~5歳の世帯が81・3%、小学生の世帯で86・4%を占めた。前回比では減っているものの、過半数が取得していないことが分かった。