「米アメフト史上最高のワイドレシーバー」に天賦の才能はあったのか? 生涯競技時間「150時間」に対して、彼が練習に費やした時間は
けっしておもしろくない
限界まで走り込んだり、筋肉がいうことをきかなくなるまでウエートトレーニングを続けたりすることはけっしておもしろくはない。しかしこうしたことは中核をなす重要な活動なのだ。 NFLの選手たちは平均20代で引退するので、35歳まで選手生活を続けることはめったにない。たとえケガをしなくても、選手として肉体の衰えは不可避で30歳も後半になり、15歳も年下の若い選手と対決すれば、もはや限界を感じるというのはよくいわれることだ。 ライスのように30代まで活躍できるのは、試合でブロックしたり走ったりすることのないクオーターバックか、一試合でほんの数プレーだけにしか出場せず、めったに敵から接触を受けることもないキッカー(キックオフなどのキックプレーにおいてボールを蹴る役割の選手)やパンター(攻撃権が変わる際に行うボールを蹴る役割の選手)だけだ。 ほとんどのプレーにおいて死に物狂いで走り、しばしばタックルでつぶされるワイドレシーバーの場合、20シーズンあるいは42歳までプレーをするということは信じられないことだ。実際ライス以外にこうした長期間にわたりプレーを続けた選手はいないのだ。 文/ジョフ・コルヴァン ---------- ジョフ・コルヴァン フォーチュン誌上級編集長 アメリカでもっとも尊敬を集めるジャーナリストの一人として広く講演・評論活動を行っており、経済会議「フォーチュン・グローバル・フォーラム」のレギュラー司会者も務める。1週間に700万人もの聴取者を集めるアメリカCBSラジオにゲストコメンテーターとして毎日出演。ビジネス番組としては全米最大の視聴者数を誇るPBS(アメリカ公共放送)の人気番組「ウォール・ストリート・ウィーク」でアンカーを3年間務めた。ハーバード大学卒業(最優秀学生)。 ----------
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