ロボット掃除機ルンバが国内600万台を突破。4万円以下の水拭き対応モデル Roomba Combo Essentialを発売したアイロボットの戦略を探る
既視感はあるものの「ルンバ」であることと「サブスク」が普及拡大への鍵か
先述したように、ロボット掃除機のトレンドはかなり技術的に進んでおり、モップパッドを付け替えることで吸引掃除と水拭き掃除を同時に行えるというのは4~5年前のトレンドという感があります。 また、AnkerやBeijing Roborock Technology、エコバックス、SwitchBotなどメーカーであれば2in1ロボット掃除機は3万円台までいくつもラインアップされています。3万9300円はアイロボットジャパンとしては戦略的価格ではあるものの、それらのメーカーの製品と比べてしまうと、それほどすごさを感じられるわけではありません。 そこはやはりブランド力のある「ルンバ(アイロボットジャパン)」が、「3万円台」で吸引掃除と水拭き掃除が可能な「2in1ロボット掃除機」を出すというところに一定の価値があるのかもしれません。 アーリーアダプターが飛びつく時期からアーリーマジョリティが買う時期に移行すると、購入者の価値基準も変わってきます。ダイソンがコードレススティック掃除機市場をけん引してたものの、本格普及期に入った数年前からは軽量化を徹底的に追求したシャープや日立などの国内メーカーが注目されるようになりました。 ロボット掃除機市場は「ルンバ VS. 中国メーカー」という図式がある中で、ハイエンドの全体的なトレンドとしては中国メーカーはすべてを自動化する方向に向かっており、「ルンバ劣勢」という感は否めません。 しかし「ルンバi2というエントリーモデルは今でも日本で一番売れているロボット掃除機として堅持しています」と挽野社長が自信を見せるように、ルンバシリーズの認知度は高く、人気もあります。ここで2in1タイプのエントリーモデルを発売することで、さらに市場を盛り上げていこうという狙いなのでしょう。 もう1つの強みが「サブスク」です。Roomba Combo Essential robotの直販価格は3万9300円ですが、アイロボット公式サブスクリプションサービス「ロボットスマートプラン+」では月額1480円で提供されます。 3年間支払うと自分のものになるという仕組みで、半年ごとに初月料金から5%値引きされるため、3年間の支払総額は4万7064円になります。一括購入よりも2割ほど割高になりますが、1カ月だけ試してみて必要ないと思ったら無料で返却できるため、1480円だけで“お試し”が可能です。 自分の家のライフスタイルに合うか心配という人でも縛りがなくお試しができることで、消費者の心理的ハードルを下げているというわけです。
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