広さ約37平米! 3人家族が快適に暮らす「折りたためる」マンションをのぞいてみた(海外)
あっという間に、夫婦の寝室が完成した
折りたためる壁で作った空間は、必ずしも寝室でなくていいとガノー氏は語った。 マーフィーベッドを上げたままにしておけば、ワークスペースにもなるし、ロッキングチェアを持ってくれば子どもをあやす静かな場所にもなる。
クイーンサイズのマーフィーベッドは、簡単におろすことができる
ベッドの機械式の脚は、ベッドを下ろすと自動的に広がる。
マーフィーベッドは悪いイメージを持たれているが、スペースを最大限に活用する役に立つとガノー氏は言う
ガノー氏は別のプロジェクトで、女優でテレビ司会者のラバーン・コックスのために「グラマラス 」なマーフィーベッドを取り入れたカスタムスペースをデザインした。マーフィーベッドは、ニューヨークの狭い空間を最大限活用するためにも使われた。 ただ、コックスのマーフィーベッドは、ボタンを押せばベッドを下ろすことができるものだという。
マーフィーベッドの両サイドに作ったキャビネットも、空間を最大限に活用するためのものだ
ガノー氏は、マーフィーベッドを降ろす"儀式"は自分をスケジュールに合わせる良い方法だと言う。 「1日の中には区切りのようなものがあって、空間と関わることでルーティンに区切りを入れるのです」
夫婦はこの寝室を自分たちで使い、もともとあった寝室は子ども用にすることにした
このプロジェクトは約28万ドルをかけて、2022年の夏に完成したという。
壁をカチッと固定すると、リビングと寝室は完全に別の部屋のようになる
ガノー氏が立っている場所の左側にあるドアを閉めれば、寝室もしくはワークスペースとリビングを完全に分けることができる。 ドアを閉めても、ソファとテレビのあるリビングにはそれほど圧迫感を与えない。
"落ち着き"と"暮らしやすさ"を手に入れるために、ものすごく広いスペースは必要ないとガノー氏は信じている
「洞窟のような巨大な豪邸に住んだからといって、快適とは限りません」とガノー氏は話している。
マーフィーベッドは元に戻すのも簡単だ
ベッドを壁に戻すのに、2分もかからない。
部屋を1つに戻すのも簡単だ
可動式の壁は、夫婦との最初の話し合いの時から考えていたものだとガノー氏は語った。 「必要に応じて別の空間を切り分け、また1つに戻すことができるというアイデアを彼らは知っていました」
誰もが自分のスペースを完全にカスタマイズできるわけではないが、ちょっとしたデザインの選択で世界は大きく変わるとガノー氏は言う
照明によって、空間の見え方は大きく変わってくるとガノー氏は強調した。 同氏のチームは、造り付けのグレーのキャビネットの上にLED照明を配置し、視線を上に集めるようにした。
キャビネットやクローゼットの中のLED照明は、狭い空間を温かく、親しみやすいものにしている
「キャビネットを開けた時に『何も見えない』のと明るいのとでは、天と地ほどの差があります」とガノー氏は語った。
ガノー氏のチームは、家具と家具の間に意図的にスペースを残した
ガノー氏からのもう1つのアドバイスは、コンパクトだが詰め込み過ぎない空間を作ること… つまり家具と家具の間にスペースを空けることだ。 この部屋ではソファと特注の壁の間を数センチあけている。 マーフィーベッドも両サイドにスペースを残している。
Dan Latu