チーム首位打者を欠いた巨人打線が沈黙…岡本和真「負けたら吉川尚輝が責任を感じる、僕たちがカバーして勝てたら」
プロ野球のクライマックスシリーズ（ＣＳ）は１６日、セ・パ両リーグでファイナルステージ（６試合制）が始まった。４年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人はＤｅＮＡに０―２で敗れ、アドバンテージの１勝を含めて通算１勝１敗となった。４年ぶりにパを制したソフトバンクは日本ハムを５―２で下し、アドバンテージの１勝を含めて通算２勝とした。第２戦の予告先発は巨人が菅野、ＤｅＮＡが大貫、ソフトバンクがモイネロ、日本ハムが加藤貴と発表された。
ＤｅＮＡは四回、佐野の右越えソロで均衡を破ると、七回に代打・筒香の左前打で加点。ＣＳ初先発のケイが６回１安打と好投し、七回から４投手の無失点リレーで逃げ切った。巨人は戸郷が七回途中２失点と試合を作ったものの、打線が散発の４安打と沈黙した。
チーム首位打者を欠いた巨人打線が、厳しい現実に直面した。３番二塁を担ってきた吉川が左脇腹の負傷で欠場。今季は１６勝８敗１分けと圧倒したＤｅＮＡの投手陣に対し、わずか４安打に沈んだ。
初回から不安は表面化した。一死から増田大が四球をもぎ取った。フルカウントから二盗に成功したが、同時に初のスタメン３番に座ったオコエがボール球に手を出して空振り三振に倒れて二死。続く岡本和は四球を選んだが、大城卓は三ゴロに倒れた。
相手先発のケイとは今季９度目の対戦。制球難につけ込み何度もノックアウトしてきたが、この日は初回に３３球を投げさせながらも仕留め損ねると、これが尾を引く。五回、坂本の四球をきっかけに二死二、三塁としたが、丸が一ゴロに凡退。適度に荒れる球威あるボールを打ちあぐねた。
吉川は３番に定着した９月１０日からリーグ優勝を決める２８日までの１７試合で、打率３割２分９厘、１１打点。走塁でもチャンスを作り、４番岡本和の勝負強さを引き出してきた。大混戦を抜け出してＶロードを突き進んだ立役者の一人だ。
吉川の早期復帰は難しい。この日、二塁手の増田大、３番のオコエとも無安打と代わりは務まらなかった。しかし、吉川とともに全試合に出場した主将の岡本和は「負けてしまったら、（吉川は）もっと責任を感じてしまうと思う。そうならないように僕たちがカバーして勝てたら」と強調する。
２日のレギュラーシーズン最終戦から２週間ぶりの真剣勝負。相手はファーストステージ２試合を猛打で勝ち上がった勢いもある。「みんなで打破していくしかない」と阿部監督。今こそチーム力が試されている。（財津翔）
