「脊柱管狭窄症の人の痛みが軽減した例も」腰痛の悩みに!寝たままできる簡単ストレッチを理学療法士が紹介 改善実例と効果的なやり方
【1】お尻の筋肉のストレッチ方法
回数 30秒×3回 <1> 仰向けに寝て両膝を曲げる。 <2> 左足首を右足の膝上あたりにのせます。 <3> 左足の膝を両手で抱え、右肩に向かって引き寄せてお尻の筋肉が伸びるのを感じましょう。深く深呼吸をしながら、30秒ほどキープ。左右同じ動きを行います。
【2】ボールを使用したストレッチのやり方
回数 20~30秒×3~4回 <1> 仰向けに寝て、両膝を曲げておきましょう。 <2> テニスボールや軟式野球のボールか、マッサージ用の硬めのボールを用意します。ゴルフボールは小さく、硬すぎるため筋肉を傷める可能性があるため使用しないで下さい。 <3>お尻の真ん中あたりにボールが当たるようにする <4>深く呼吸をしながら、ゆっくりとお尻にボールを押し当てるようにし、筋肉をほぐしていきましょう。1箇所を20秒~30秒行ったら、数センチずらして写真の掌の部分を3箇所ほどほぐしましょう。
【3】膝かかえストレッチのやり方
回数:30秒×2~3回 <1> 仰向けに寝て、両膝を曲げておきましょう。 <2> そのまま両手で膝を抱えるようにして体を丸めます。両膝を十分に胸に引きつけた状態で、約30秒深呼吸をしながらキープします。
【実例】脊柱管狭窄症で買い物にも行けなかったAさん ストレッチ効果で遠出も可能に!
以下からは、ストレッチで症状が軽減した方の実例を紹介いたします。 ご主人と二人暮らしのAさんは、長時間座っていると腰が痛くなり、さらには両方のお尻に痛みと神経痛が出てしまうことに悩んでいました。長く座れないことで遠方に出かることもできず、近所の買い物にもさえも支障がでる状態でした。 受診した整形外科医院では脊柱管狭窄症と診断されましたが、痛み止めが処方されただけ。先生からは「そういう疾患のため仕方がない」と言われてしまいました。 そのため数年間は痛いのは当たり前と思い、ごまかしながらの生活していました。しかし段々とふらつきが強くなり、長時間歩くことも出来なくなったため、リハビリテーションを受けることにしました。 訪れたリハビリテーションでAさんは、両方のお尻周り、骨盤周りの筋肉に、タイトネス(筋肉の過緊張状態)がみられることが分かりました。さらに骨盤が前傾し、いわゆる反り腰が常態化した状態とも。そこで骨盤の後傾を促す「膝かかえストレッチ」と「お尻のストレッチ」をやってみましょう。と、理学療法士から指導を受けることに。 ホームエクササイズとして「お尻のストレッチ」を毎日行ったAさん。すると反り腰が改善し腰の過度な筋緊張がとれ、阻血状態であった座骨神経の血流改善が促されました。それにより過緊張で起きていた腰痛が軽減。神経への血流が改善しているため、長時間座っていてもお尻への痛みや神経痛が出にくくなり苦痛が軽減していきました。 30分程度の車での遠出が出来るまでに回復 数年ぶりに痛みが改善したAさんは、近所へ買い物に行けるようになりました。さらにだんだんと長時間座れるまでになり、旦那さんと車での遠出(20~30分程度)も可能になったのです。その後もAさんはリハビリテーションやホームエクササイズを継続し、股関節周りの硬さがとれることで身体バランス能力も改善。歩行時のふらつきが軽減し、転倒の心配も少なくなりQOL=Quality of life(生活の質)が上がりました。 1日1ストレッチ すき間時間を見つけて継続させよう 病院に行くほどではないけれど辛い、病院を受診しても対症療法のみで腰痛が改善しないといったケースは少なくありません。そんな方にも試して欲しいのが、今回ご紹介したストレッチです。3つのストレッチはどれも自宅で簡単に行えるもの。必ず3種類行わないといけないストレッチではありません。1つのストレッチを継続するだけでも効果を感じることは可能です。無理のない範囲で継続してみてください。