「明日、出社なんです」フィギュア大庭雅が体現する仕事との両立 ファイナンシャルプランナーも取得、努力家の29歳はジュニアの『憧れ』
フィギュアスケートの西日本選手権が2日から競技を開始する。9月下旬に行われた中部選手権の最終日。4位で西日本選手権出場を決めた大庭雅(29)は「明日、出社なんです」と報道陣に明かした。所属先の東海東京FHに週に1度出社し、資料の作成や集計に従事しているという。 「仕事に行く日はもうリンクの時間に間に合わないので、陸上で補ってます」。すでにファイナンシャルプランナーの資格を取得し、さらに上位の資格を取るための講習も受講中。「頑張ることが好き」と努力家の一面を見せている。 フィギュアスケートの世界は大学卒業とともに競技の第一線を退く選手も珍しくない。しかし、大庭は29歳の今季も現役生活を続行。中学生だった2010年に初出場した全日本選手権には12度出場しており、「まさかこんなに続けるとは思っていなかった」と語る。 今季はショートプログラム(SP)で新しい曲「水百景」に乗った演技をみせる。振り付けを担当したのは友人で18年平昌冬季五輪4位の宮原知子さん(26)。21~22年シーズンを最後に現役を引退したオリンピアンは依頼を快諾、プロスケーターとして世界中で出演しているアイスショーの合間を縫って、大庭のもとに駆けつけた。 二人三脚でできあがった新プログラムを、大庭は「自分の楽しさをすごく引き出してもらえるプログラム」と評する。そして、「にやけるとは違うけど、ふと笑っちゃう。楽しいってなる」。練習でも笑みを浮かべながら滑っているという。 ジュニア世代の選手からは憧れとして名前が挙がることもある。「少しでも『スケートってこういうふうに楽しんでいいんだ』と思ってもらえるところが、憧れてもらえてるのかな。皆さんとは違う面で、先輩として憧れてもらえてたらうれしい」。競技者としての原点を体現する大庭の演技は名古屋市の日本ガイシアリーナでの西日本選手権で見ることができる。(冬季スポーツ担当)
中日スポーツ