韓国、児童虐待対策を強化へ…「専従職員に捜査権付与」法改正案を提出
【12月04日 KOREA WAVE】韓国国会で最近、児童虐待専従職員に捜査権を付与し、自治体ごとに専門性を持つ専任職員を必須配置するなど、児童虐待対応体制の強化を目指す法改正案が提案された。 児童虐待対策を強化するための「児童福祉法」「司法警察管理の職務遂行者およびその職務範囲に関する法律」改正案で、与党「国民の力」のキム・イェジ議員が提出した。 児童虐待疑惑の通報件数は増加傾向にあるものの、実際に虐待と判断される割合は減少している。2019年の虐待疑惑件数は3万6920件だったが、2023年には4万5771件と24%増加。しかし、実際に虐待と認定された割合は2021年の72.2%から2022年の62.8%、2023年には56.2%まで減少した。 その背景には、児童虐待専従職員の短期的な任期と頻繁な人事異動が専門性の発揮を妨げているとの指摘がある。保健福祉省によると、全国17自治体における児童虐待専従職員の平均勤務期間は、2024年上半期時点で14.9カ月に過ぎなかった。 現在、専従職員875人のうち87%にあたる761人が一般公務員で、契約職員である「一般任期制」は10.2%の89人。専門職として採用された「専門経歴官」は全国でわずか4人(0.5%)だった。 これを受け、キム議員は5年以上の経歴を持つ8級専門経歴官を各自治体に少なくとも1人以上配置することを義務付ける改正案を提出した。また、児童虐待専従職員に捜査権を付与し、現場調査と捜査が分離されている現行制度による被害児童の重複証言問題を解消する法案も併せて提出した。 被害児童は現場調査と捜査の両段階で同じ内容を繰り返し証言しなければならず、心理的負担が増すとの指摘が長年あった。さらに、低年齢の被害者の場合、記憶能力が未熟なため、捜査の遅延により証言の一貫性が保たれず、真実の解明が困難になるケースも多い。 キム議員は「児童虐待疑惑の件数が増加する一方で、多くの子供が虐待の危険から逃れられていない。専門性を持つ専従職員が調査と捜査を一括して担当することで、被害児童の心理的負担を軽減し、迅速に事件の真実を明らかにすることが重要だ」と強調した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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