ブレインストーリー、下北沢ADRIFT公演をレポート 大阪CONPASS公演は当日券あり
今年4月に3rdアルバム『サウンズ・グッド』をリリースした、米・ロサンゼルス拠点の実力派3ピース・バンド、ブレインストーリー(Brainstory)が2023年に続き再来日。その東京公演が、11月13日に下北沢・ADRIFTにて開催されましたのでレポートをお届けします。 ブレインストーリーは、ジャズをルーツにスウィート・ソウル~メロウ・グルーヴ~西海岸ファンク~サイケデリアなど、LAの多種多様な音楽 / 文化に影響を受けた独創性の高いサウンドが特徴。注目を浴びるヴィンテージ・ソウル・シーンの重要レーベル「ビッグ・クラウン」の看板バンドとして、これまで3枚のアルバムをリリースしています。 昨年下北沢にオープンしたばかりの新ヴェニュー、ADRIFTで開催された東京公演のオープニングを飾ったのはDJ MURO。先日、自身のラジオ番組でも特集された「ビッグ・クラウン」のカタログより名曲を織り交ぜつつ、寛ぎと華やかさが巧みにブレンドされたセットで会場をじわじわと高揚したムードに。お酒のお代わりを買いに行く観客もちらほらと見かけました。 MUROがフロアを温める中、ステージにはケヴィン(g,vo)、トニー(b)のマーティン兄弟とエリック・ハグストローム(ds)が登場。幕開けは、1stアルバム『BUCK』の冒頭曲「Breath」。サビでは一緒に口すさむ人や手を上にふる人など、早くも盛り上がりをみせたほか、ギターやドラムのソロパートも1曲目から披露され、会場の期待を高めました。ニュー・アルバムからは、トニーのよく動くベースラインがよりドライヴィンに奏でられた「Nobody But You」、ケヴィンの高音ヴォーカルが映える「Listen」、クレイロとの共演も話題となった「Hanging on」などメロウ&スウィートなナンバーを連発。どの曲でも会場からは歓声が。とりわけアルバム屈指のスウィートな名曲「Hanging on」では、歌メロ~ギターソロ~ラテン調のアレンジが際立つ間奏に、観客たちが気持ちよさそうに身体を揺らしていたのが印象的でした。 曲を始める前にケヴィンが放つ「よーしッ」という日本語の掛け声もチャーミングで、会場からは親しみをこめた笑いもおこるなどホットなムードに包まれた本編が終了し、アンコールでは、ふたたび1stアルバムよりラスト曲「Thank You」を演奏。まるでグレイトフル・デッドのようなトリップ感とサイケデリアに満ちたアレンジで聴かせる間奏に場内は陶然。そして“ありがとう”で畳みかけるように最後は、ウィリアム・デヴォーン「Be Thankful for What You Got」のカヴァー。オリジナル曲があるからこそなのか、ケヴィンの歌とギターの旨さが引き立つパフォーマンスで、ブレインストーリーの魅力をギュッと凝縮したような満足の一夜は幕を閉じました。“ありがとう”はこちらこそです。 なお、11月14日は、大阪・CONPASS公演(OPEN 19:30 / START 20:00)が開催されます。当日券も販売されるとのこと。 写真: Koichiro Funatsu 文: 川上影森UNXUN