『恋のゴールドメダル』『二十五、二十一』など スポーツを題材にした“青春”韓国ドラマ3選
ハン・ジヒョン×ペ・イニョクで応援団の葛藤を描いた『チアアップ』
●『チアアップ』 スポーツの試合・大会において必要不可欠なのは応援だろう。サッカーも野球も、バレーボールもバスケットボールも周りの応援があってこそ盛り上がるし、選手のモチベーションにもなってくる。『チアアップ』は大学を盛り上げる応援団を中心に、様々な葛藤や恋愛模様を映し出した青春ドラマ。部活に打ち込んだ日々を思わず懐かしんでしまうような、どこか若さ溢れる作品だ。 物語は主人公・ヘイ(ハン・ジヒョン)が名門・ヨンヒ大学に入学するシーンから始まる。家計が苦しく、毎日様々なバイトをこなしていた彼女は、応援団「テイア」のOBから入団すればお金を払うと言われて、その誘いに乗ることに。次第に舞台に立つときめきを覚えたヘイはテイアの活動に没頭するが、バイトとの両立が難しくなっていく。一方で家族のために生活してきたヘイにとって、テイアは自分らしく輝ける場所。生活することとテイアの間で葛藤し、自分の中で答えを出すことになる。 歌いながらランニングをしたり、先輩の厳しい監督下で筋トレをしたり、1ミリ単位で振り付けを直されたり、応援に対する真剣な態度にはスポーツマンシップが滲み出ている。また、昔に霊媒師が語った三大予言の噂が流されたテイアは落ちぶれ、さらには命にかかわる様々な事件が起こる。その事件から繰り広げられるミステリー要素や、団長のジョンウ(ぺ・イニョク)とヘイの恋愛も物語のスパイスとなっており、一層テイアのメンバーたちとの絆を深めていく。 ヘイだけでなく、他のメンバーたちにとっても、それぞれテイアが自分の居場所だと確信した理由がある。一つのことに全身全霊で打ち込むこと。それができるのは若さゆえかもしれないが、その気持ちを他の2作同様に蘇らせてくれる。
伊藤万弥乃