マニア垂涎! 高貴な姿が人気で乱獲、採捕禁止の観賞魚 「ブラバン」を国内で初めて人工繁殖 南九州市の養魚センター
観賞魚の輸入卸や飼育器具販売を手がける神畑養魚南九州養殖センター(鹿児島県南九州市頴娃)は、ハワイ諸島周辺の海域にのみ生息する希少観賞魚「ブラックバンディットエンゼル」の繁殖に国内で初めて成功し、商品化した。今後は全国の小売店へ販売し、さらに安定した生産を目指す。 【写真】ブラックバンディットエンゼルの繁殖を担当した加藤裕昭課長補佐=5日、南九州市頴娃の神畑養魚南九州養殖センター
体長20~25センチほどの海水魚で、黒い帯のような模様が特長。その美しさと希少性から国内外で人気で、10年前は1匹当たり10万円前後で取引されていた。現在は乱獲により個体数が減少したため、採捕が禁止されている。 ブラックバンディットエンゼルの人工繁殖は、2012年のセンター設立当初からの悲願。数匹の親魚から育て始めたが、産卵はしてもふ化率が低い。温度を25度に保ったり動物プランクトンの幼生を与えたりと、最適な環境を維持できるよう試行錯誤を続け今年5月、約100匹のふ化に成功した。 繁殖を手がけた加藤裕昭課長補佐(50)は「人工繁殖なら環境に悪影響を与えず、自然個体を減らすこともない。無事に生まれてよかった」と笑顔を見せた。
南日本新聞 | 鹿児島