森永康平氏 クリンチ作戦で国民民主党と戦う自民党は「試合巧者。判定勝ち狙いの相手を倒すのは難しい」
がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎氏(67)と経済アナリストの森永康平氏(39)親子が17日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」(月~木曜前8・00)に出演。自民・公明両党が少数与党となり、政策決定の仕方に変化が出てきたことについて言及した。 【写真】がん闘病中の森永卓郎氏 花見写真に隠された“狙い”に共演者驚き 「いやあ、だまされた」 康平氏は「今までは内輪で非公式な会合をやってちゃんちゃんと決めていたんですけど、それができなくて(国民民主党の)玉木さん(代表)と戦っているわけなんですけど、雲行きは怪しいなという感じ。ガソリン減税は先送りという話だし、例の103万円の壁も案として出てきているのが120万とか130万とかよくわからないものが妥協案として出てきている」と説明した。 各党の幹事長会談では178万円への引き上げを「目指す」という合意書を交わしたが、康平氏は「それは協議することを同意したという話だけですから。幹事長が連名で紙を出しているだけなので、実際は何の意味はないんですよ」と話した。 康平氏はさらに「怖いと思っているシナリオ」があると指摘。「国民民主党の支持率は年代別で見ると20~30代なんか圧倒的№1というレベルで推されていて期待が高まっているわけですよ。仮にここで結局、何も決まりませんでしたって話になってしまうと、凄く期待されている分、その落差で“結局何もやってないじゃん”っていう裏切られた感が演出される。今の流れでいったら来年の参院選なんて国民民主がアホみたいに勝つだろうと思っているけど、逆の可能性も全然あるわけですよ」と説明した。 康平氏が自民党に所属していた場合の仮定のプランも披露。「ここで玉木さんとケンカをしているそぶりを見せて国民の敵だというポジションを取るよりは、むしろいろいろ話し合おうと仲良くしているフリをしてごにょごにょしながら結局先送り、棚上げという結果を出すことによって国民が期待の反動で“玉木さん、何もやらないじゃん”ってこっちを演出した方が絶対にいいと思う。120(万円)ならいいんじゃないかなとかうにうに言って、そうこうしているうちに維新が入ってきている。これは術中にはまっているなという印象がありますね」と説明した。 康平氏は「(国民民主党と)バチバチやるのは自民党から見たら最悪な手段」と指摘。「とりあえず表面上は仲良くしながら何も言わないで国民をキレさせるか、玉木さんと議論の余地がないとなったら最悪、立憲(民主党)と組むっていうのもできる。自民党の方が試合巧者。玉木さんはバチバチの殴り合いを挑んでいるけど、クリンチしながら離れては打ってまたクリンチしてみたいな感じで最終的に判定勝ちみたいな。格闘技でも一緒ではなから判定勝ち狙いの相手を倒すのはめちゃくちゃ難しいんですよ。相手が打ち合いに来てくれたら倒せますけど、試合巧者だなと思います」と格闘家らしい視点から解説した。 卓郎氏は「自民党はもうゴールを決めたんだと思います。立憲民主党との大連立になる」と予想。「公開方法工夫支出という訳の分からないのを打ち出して、それを取り下げて政治資金改革の法案を通すことになった。取り下げた時に自民党と立憲民主党が合意したって立憲民主党に花を持たせたわけですよ」とポイントを解説した。「ここで餌をまいておいて、少数与党の国会運営は嫌だと。今じゃ日本で最大の増税派は立憲民主党になったんですね。財務省の覚えもめでたいので、今まで通りの政治をしようというのが自民党の魂胆だとみています」と推察した。 康平氏は「勢いでみると勘違いしますけど、議席数という絶対数で見たら圧倒的に国民民主党より立憲民主党の方が強い。そこは考えないといけない」と指摘した。