「しきぶ温泉湯楽里」浴室に煙、ガス発生薬剤の容器ふた閉め忘れか 福井県の市営宿泊施設3人搬送事故
福井県越前市白崎町の市営温泉宿泊施設「しきぶ温泉湯楽里」で11月4日に薬剤から煙が発生し浴客13人が体調不良を訴え、うち3人が搬送された事故で、従業員が薬剤の容器のふたを閉め忘れた可能性があることが5日、施設への取材で分かった。南越消防組合によると、薬剤は水分やアルカリ性の物質と反応すると塩素系ガスが発生する特徴があるという。越前署は引き続き原因を調べている。 施設によると、薬剤は温泉の塩素濃度を下げるため前夜に使われ、その後は男性用浴室に併設する倉庫に保管されていた。煙の発生後に確認すると、プラスチック容器のふたが外れて床に落ちていた。何らかの化学反応でガスが発生したとみている。 倉庫は普段施錠されており、当日は従業員が作業で出入りしていた。施設の指定管理者は「第三者が倉庫に入って何かをした形跡は見られないと警察から聞いている」と説明している。 市社会福祉課は薬剤の取り扱いのマニュアル整備などについて報告を求めており、「利用者や市民の不安を解消できるよう指定管理者とともに再発防止に最善を尽くす」としている。
福井新聞社