三菱マテ出資のインドネシア銅製錬所、拡張工事完工・年初から増産へ。電気銅能力34万2000トンに増強
三菱マテリアルは15日、連結子会社であるインドネシア・カパー・スメルティング(PTS)のグレシック銅製錬所(インドネシア東ジャワ州)で進めてきた銅精鉱処理能力の拡張工事が完工したと発表した。2024年初めから増産体制に移行する。拡張完工によって年間銅精鉱処理量は現行の100万トンから130万トンに、年間電気銅生産能力は現行の30万トンから34万2千トンに増強される。 14日には現地で拡張完工セレモニーが開催され、同国のジョコ・ウィドド大統領や同社の小野直樹社長、同製錬所のパートナー企業である米フリーポート・マクモラン(FCX)のリチャード・アドカーソンCEOなどが出席した。 同製錬所は、同社が特許を有する連続製錬プロセス「三菱連続製銅法」を採用した銅製錬所。同社は同国で最初の銅製錬プロジェクトであるPTSに1990年代から参画している。今回の増産体制移行後も同国の銅サプライチェーンで重要な役割を担うPTSの操業を引き続き支援していくとしている。 今回の拡張工事費用は2億5千万米ドル。拡張工事にかかる諸費用の全額を共同出資先のPTフリーポート・インドネシア(FCXの現地子会社、PTFI)からPTSが融資を受け、工事完工を条件に同借入額を簿価純資産方式でPTSの新株に転換(増資)することとなっている。増資完了後、PTSは三菱マテリアルの持分法適用関連会社となる。また、23年から運営方法もPTFIから銅精鉱の製錬を受託する方法(受託製錬)に変更となっている。