元K-1ガールズ、現在は壁面アーティストに 初仕事はビル5階の高さで作業「本当に怖かった」
グリーンバックの前では白と緑は透けてしまう
「決まりでシートをずっとかけながらでしかできなかったので、全体像が分からないまま進めました。本当はコピーしたものを素描きして、スクショしたり拡大したりしたものを1面ずつ計算しながら描くらしいんですけど、私はそんなの考えなかったから、勘でずっと描いていましたね」 結果、ラヴィの勘はズバリと当たり、ビルの壁面いっぱいに、富士山の傍を飛んでいく龍(ドラゴン)の画が完成した。注文を受けたのは秋ごろだったが、実際に足場を組んで描いた日数は9日間だった。 「今年は辰年だし、あとはインバウンドで海外からの観光客の方が多いので、日本っぽい画を描いてほしいっていうことでそうなりました。次はまず、バイクのタンクに描きたいですね」 5年間のK-1ガールズと、ビルの壁へのウォールアートを経験したラヴィだが、そこからなぜ巌流島に関わるようになったのか。 「谷川(貞治・巌流島プロデューサー)さんに拾われました(笑)。もちろん子猫みたいにその辺にいたわけじゃないですけど、知り合った時に、私が谷川さんにK-1の話を熱く語ったんですよ。たぶんその熱さが谷川さんはうれしかったのかな。私がK-1に関わっていたのは、谷川さんがK-1プロデューサーを辞めた後の新生K-1だったけど、熱く新生K-1を語るのが嬉しかったみたいです。『バーチャルファイト』に関しては、最初にスタジオに連れて行っていただいたのは2月頃だったんですけど、グリーンバックの前でどうやって試合をするのか。実際に、試合当日に見るまでは、ふわっとしていた感じでしたね」 それでも、大会当日は興奮しながら全4試合を堪能しつつ、アテナとして独特の衣装を身にまとうと、開会式では選手にグローブを手渡しつつ、ラウンド間には手のひらサイズのラウンドボードを持ったラウンドガールとしての役割も無事に務めた。 「試合が終わって、実際に編集された映像を見るまでは、最終的にどうなるんだろうと思っていましたね。それまでのラウンドガールとは少し立ち位置が違ったので面白かったですよ。背景がグリーンバックなので、緑や白だと透けてしまうんです。他にもいろいろ改善策はあると思うので、次回が楽しみですね」 確かに「リアルな格闘技をバーチャルな空間で! 格闘技の視聴・観戦体験は新たな時代へ!」とのコピーが示す通り、「巌流島バーチャルファイト」には新時代の格闘技へのチャレンジ精神があふれている。 「やっぱりどこかで試合のゲスト解説者はやってみたいです」 最後に今後の目標をたずねると、そう答えたラヴィ。“闘いの女神”アテナとしてラウンドガールの枠を超え、可能性はさらに広がっていく。
“Show”大谷泰顕