長野・中野市4人殺害事件 突然、加害者家族に…被告両親も苦悩の日々 一時は命絶つ考えも NPOが支援「生きることが償い」 発生1年を前に供養の「観音様」建立
NPO法人ワールド・オープン・ハート 阿部恭子さん: 「事件の大きさに関わらず、外出しにくいと言われる方がたくさんいて、やっぱり人の目が気になる、なので公の場に出にくいですとか。多くの方が報道対応に困っていると。いつまで追いかけられるんでしょうみたいな、多分多くの方は一生追いかけられると思ってるんで。これから自分がどうなってしまうのだろうというような不安、将来への不安も抱えると思います」 相談を受けた阿部さんたちは助言だけでなく、必要に応じて転居や就労の支援、マスコミ対策もしています。
■青木被告の両親にも助言重ねる
青木被告の両親は知人から阿部さんたちの活動を教えてもらったということです。最初の電話があってから、阿部さんたちは助言を重ね、直接、長野に出向いたこともあったと言います。 NPO法人ワールド・オープン・ハート 阿部恭子さん: 「まずはどうやってその罪を償っていくというか、どうやって罪を償っていく人を支えていくかみたいなところだったりとか。他の大きな事件の方とお会いしていただいたりですとか、気持ちを分かち合っていただいたりですとか、今のところはそういうところですかね」
■命絶つことも考えた両親に…「生きることが償い」
自責の念に駆られ、両親は一時、命を絶つことも考えていたということです。 NPO法人ワールド・オープン・ハート 阿部恭子さん: 「やっぱり被害者に対しては本当に申し訳ないという気持ちは拭えないですよね。でも、私たちとしては、だからこそ、自ら命を断つとかそういうことではなくて、やっぱり一緒に前を向いて、『なぜこういう事件が起きてしまったのか』、ずっと考え続けていくということが大事だと」 その後、両親は被害者への損害賠償も念頭に、仕事を始めたということです。 NPO法人ワールド・オープン・ハート 阿部恭子さん: 「とにかく生きるということが、(親としての)償いだという意識は少し持たれているかなとは思います」
事件から5月25日で1年。 住民の一人は事件から1ヵ月ほど経ったころの両親の様子を今も覚えています。 住民: 「その挨拶と言いますか、謝りにご迷惑をおかけしましたってことで、一軒一軒回られましたよ。本当にもうね、本当に憔悴してましたね。見てて、かわいそうなぐらい。でもね、それ以上に亡くなられた方の方がもっとひどいよね」
長野放送