アメリカの次期大統領にトランプ氏が再選 核兵器や関税…その影響は?【テレビ派・長島カイセツ】
広島大学平和センターの川野徳幸センター長は、核軍縮に向けて被爆地の役割の重要性を指摘します。 ■広島大学平和センター 川野徳幸センター長 「これまでの言動であるとか、共和党のこれまでの安全保障政策などを考えると、相対的に民主党よりは、もしかしたら後退するかも知れない。問題の最大の本質は、それにどう、広島・長崎、この国がコミットしていくのか。」
トランプ氏は、今回勝利演説をした際に「我々は「イスラム国」を打倒した時を除き、4年間(前回の政権時)戦争をしなかった。私は戦争を始めず、戦争を止める。」と発言しました。トランプ氏の基本的なスタンスは「アメリカが戦争に参加するのは、お金がかかる。割に合わない。」という考え方だと指摘されています。
一方で、アメリカの支援を必要としている国が、現時点であることも事実です。広島県福山市に住むアンナ・セメネンコさんは、ウクライナ東部のハルキウでピアノ教師をしていました。しかし2年半前、娘2人と福山市に避難してきました。トランプ氏には、ウクライナの平和のために必要な支援を全て行ってほしいと言います。 ■アンナ・セメネンコさん 「(トランプ次期大統領が)ロシアを止めることを願っています。軍も必要と思います。」
また、経済に関する懸念もあります。「アメリカファースト」のトランプ氏は、輸入品に関税をかけることを常々発言しており、特に自動車に関しては、メキシコからの自動車に100%の関税を課すとしています。
この関税が実現すると、メキシコ工場で自動車を生産しているマツダにも、影響が出てくることになります。マツダの毛籠勝弘社長は「重要政策の優先順位や、輪郭が順次見えてくると思うので、今は中身を十分に吟味し、相談して対応を決めたい。」としています。冷静に対応していくことが大切となりそうです。
トランプ氏が前回以上に力を持ち、やりたい放題になるという声もありますが、アメリカは50ある州でそれぞれも力を持っています。例えば、トランプ氏が大統領令を発令しても、各州が「違憲」と判断すれば裁判に訴えることもあり、前回もありました。また、裁判までいかなかったとしても、例えば、トランプ氏は自動車について、電気自動車に後ろ向きな姿勢と発言をしています。しかし、ヨーロッパの外交関係者は「アメリカにはEVを推進している州もあり、各州と個別の交渉に力を入れたい」と話していました。トランプ氏の任期は4年で、再選はありません。短期的・長期的両方の視野を持って、戦略を立てていくことが重要になりそうです。 【テレビ派 2024年11月8日放送】