金利上昇時代に迫られる「持ち家or賃貸」の最終結論、ある程度の自己資金があれば今のうちに購入しておく選択肢も
■ 金利上昇に価格高騰が加わると毎月返済額はどれだけ増えるのか 変動金利型の利用者が多いもうひとつの理由としては、金利が上がるにしても、現在の日本の経済状況では急激な金利上昇は考えられず、変動金利型を利用するリスクはさほど大きくないだろうと考えている人が多い点が挙げられる。 確かにそういう見方は強いが、かつて1990年代のバブル時には1年間で6.50%から8.50%と2.00ポイントも上昇したことがある。2000年代以降も2006年に0.875%だった金利が2年で1.00ポイント上がったこともある。経済状況次第では、そうした急激な金利上昇があり得るのだ。 しかも、地価や建築費の値上がりが続いているため、2025年もほとんどのエリアで新築住宅の価格高騰が続く可能性が高い。また、中古住宅についても、そろそろ頭打ちから下落に向かう傾向が強まっているが、都心部やその周辺ではまだまだ上昇が続いている。 金利の上昇に価格の高騰が加わると、購入後の負担は格段に重くなってしまう。 例えば、変動金利型ローンを0.4%で利用でき、借入額が5000万円で済む場合には、【図表3】にあるように月々の返済額は12万7595円だが、これが、0.8%になると13万6530円に、1.4%だと15万0654円に増えてしまう。 0.4ポイントアップの0.8%だと月額9000円ほど、年間では10万円以上の負担増加になる。さらに1.0ポイントのアップの1.4%では2万3000円ほどの増額になる。年間にすれば、27万円以上も返済額が多くなってしまうのだ。 それに価格高騰が加わるとどうなるのだろうか。価格が20%上がって6000万円になると、金利0.4%でも毎月返済額は15万3114円と2万5000円以上の増額になる。それに金利の上昇を加味すると、0.8%で16万3836円に、1.4%で18万0785円に増加する。月額5万3190円、年間では63万8280円も増えるのだから、購入は一段と難しくなってしまう。