<海に眠るダイヤモンド>神木隆之介×野木亜紀子の対談で明かされる撮影秘話 「“泣こう”とかではなくて、本当にうれしくて涙が」
◇方言とキャラクターが紡ぐリアルな物語
野木:本編のセリフでもありましたが、端島はいろいろなところから人が集まっている島なので、島民全員が長崎弁を話すかというと、そうではありません。賢将(清水尋也さん)の父・辰雄(沢村一樹さん)は決して長崎弁を話さない人だから、賢将は家でも東京弁。そんな賢将と仲が良く、大学まで一緒の鉄平と百合子は、標準語がベースというキャラクターの作り方でした。
神木:荒木家でいうと、僕も自分なりの理由を作って演じています。例えば、進平兄ちゃん(斎藤工さん)は、母・ハル(中嶋朋子さん)とのコミュニケーションが多いから長崎弁。鉄平は、一度島を出ていることに加えて、お父ちゃんの一平(國村隼さん)に厳しく育てられてきたから、そこまで長崎弁が出ない、みたいな。
野木:なるほど。ドラマでは、方言が強すぎるとお茶の間にセリフの意味が伝わらなくなってしまうこともあるので、その塩梅も脚本執筆時の隠れた難しさなんですよね。
神木:ちなみに、一平のセリフは國村さんのご出身の言葉が活かされているんですよね。
野木:基本的に俳優さんの出身地を活かしたセリフにしようという話で。台本上では標準語の一平ですが、國村さんがもともとは大阪弁を話す方だと聞いて。そこはお任せして、大阪弁で自由にしゃべってもらっていいというかたちにしています。
◇「どうして玲央はホスト?」 神木隆之介が野木亜紀子に直撃
野木:神木さんは鉄平と玲央、二役演じなければいけないから大変だろうなと思いながら放送を見ています。
神木:それに関して……僕がどうしても聞きたかったこと聞いてもいいですか?
野木:え! 答えられるかな? どうぞ!
神木:どうして現代パートの玲央はホストという設定なんでしょうか? SNS で「どうしてホスト役なんだろう。野木さんの意図があるのかな」って投稿していた方もいらっしゃいました。僕も初期の打ち合わせで「ニートのような役のほうがフラフラ流されそうだし、自由に動けそう……」というお話をした記憶があったので、改めて理由を知りたいなと。