作戦は相手の失言待ち-米大統領選討論会、勝利の鍵は「沈黙」
無口戦略
2020年の第1回討論会では、トランプ氏がバイデン氏の発言中に何度も割り込み、それに対してバイデン氏が「黙っていてくれ」と反応するなど、混乱と非難合戦に終始した。第2回討論会では、どちらかが発言する際に相手側のマイクを切る措置などが取られた。
今年の第1回討論会の方法は、バイデン氏に有利に働くかもしれない。トランプ氏は聴衆の反応をエネルギーに変えるタイプだが、今回は聴衆を入れずに行われる。また司会者は両者のマイクを切ることができるため、トランプ氏がバイデン氏の発言にかぶせて何か言うことは不可能になる。
事情に詳しい関係者によると、バイデン陣営は同討論会で、両者の気質や政策の違いを浮かび上がらせることを狙っている。その戦略の重要な柱となるのが、トランプ氏が怒りを見せたり、突飛な発言をしたりする機会を十分に与えることだという。
一方でトランプ氏側も、討論会ではできるだけ控えめな態度を保ち、失言が多いことで知られるバイデン氏が口を滑らせる時間を十分に与えるようにすることが考えられているという。
民主党議員の1人は、相手にミスを犯す時間とスペースを与えることで、口数の少ない方の候補者が恐らく討論会の勝者になると語った。
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原題:Trump, Biden Prep for Debate Where Any Misstep Threatens Hopes(抜粋)
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Nancy Cook