【神宮大会】青学大・初谷健心が準決勝でサヨナラ打 真っ先に頭に浮かんだのは「また、4年生とやれる!!」
全員の力で勝ち切って
この日、初谷は本来、佐々木が入るはずの三塁のポジションに入った。青学大では常にシートノック、オープン戦を通じて複数ポジションの練習を積んでおり、焦ることはなかった。部員45人(選手34人)、青学大が全員の力で勝ち切り、2年連続の決勝進出を決めた。 「試合中も佐々木さんが『我慢!! 我慢!!』とずっと、声をかけてくれました。守備前にはグラブを持ってきてくれて『大丈夫だ!!』と。ありがたかったです」
3年生で副将を務めているだけに、2025年の主将については「やりたいです!!」と意欲を示す。「山田(山田拓也、東芝)さん中島(中島大輔、楽天)さん、佐々木さんと見てきて、自分はまだ、甘いところがある。主将を務めることで、自分自身の成長にもつながる」。この秋は準備段階として、自覚を持って過ごしてきた。 青学大は昨年、年間タイトル4冠(春、秋リーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会)を目前にし、明治神宮大会決勝で慶大に惜敗(0対2)した。3年生・初谷は言う。 「率先して『4冠!! 4冠!!』と、ずっと4年生が引っ張ってくれました。チャンスが来たので必ず、4冠を達成したい」 準決勝でサヨナラ打を放っても、達成感を得るのは、まだ先である。「明日です」。4年生を最高の形で送り出すのが、モチベーションだ。ピンチこそチャンスととらえ、2024年のラストゲームで「全員戦力」を結実させる。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール