【リニア】静岡・川勝知事が期成同盟会で『部分開業』主張へ 「2037年までに」発言は「2037年まで『なるべく早く解決』」の趣旨と説明
県外工区の進捗は
リニア新幹線の工事をめぐっては、静岡工区はまだ着工について議論が続いています。一方で、他の街は現在どのような状況なのでしょうか。 地上から深さ90m。これは神奈川県川崎市の地下を通るリニア新幹線のトンネルの内部です。15日、報道陣に公開されたこちらのトンネルでは、振動や騒音などの影響調査を終えた状態だといいます。リニア新幹線は都心部の地下40メートルより深い場所を通り、東京と愛知を結びます。JR東海はこの区間の複数の住宅街で、トンネルの掘削による影響がないか調査を続けていて、本格的なトンネル工事は、9月ごろから開始する予定です。
去年10月には、山梨県で本線トンネルが初めて貫通するなど、少しずつ工事は進んでいます。一方で今、静岡県で進んでいるのは工事ではなく議論です。
川勝知事「2037年までに解決すればいい」
静岡・川勝平太知事(4日) 「(リニア開業が)“2027年以降”となったので、南アルプスの自然、生態系を保全することとリニアの両立、この件についても2037年までに解決すればいいと私は受け止めている」 川勝知事は、南アルプスの環境保全の問題について、「2037年までに解決すればいい」との認識を示したのです。
川勝知事「1回下山した」
さらにリニア工事をめぐる今の進捗状況を山登りに例えて何合目か問われると…。 静岡・川勝平太知事(4日) 「いずれも前提にしているのは、2037年までには完成させようじゃないかということなので、1回下山したということではないか。登らないで下山したということではないか」 去年10月には「2合目に来ている」としていましたが、4日の会見では「1回下山した」と逆戻りしたという川勝知事。
元側近 難波静岡市長「全く理解できない」
これに苦言を呈したのが、元側近、静岡市の難波喬司市長です。 静岡市 難波喬司市長(12日) 「全く理解できない。結果的に10年延びるならいいが、初めから行政手続きに対する判断を下すのに10年先でもいいなんてことは、行政の責任ある者としてはあり得ない。行政は開業時期の問題と自分の手続きの問題を一緒にするのではなくて、手続きは手続きで速やかに実施をしていく。これが責任だと思う」 「全く理解できない」として川勝知事を切り捨てました。そのうえで、今の進捗状況については。 静岡市 難波喬司市長(12日) 「新たにものすごい詳細な調査をしないといけない状況ではないと思っているので、そういう観点から言って8合目までは行っている」