新NISAで「億単位で儲かる人」と「万単位しか儲からない人」の決定的な違い
「私が業績で注視するところは売上高です。売上高が毎年確実に伸びていれば、営業利益はマイナスだとしてもエントリーの対象になりますし、むしろ株価が割安であることが多いのでお宝銘柄の可能性が高い」 もちろんシナリオ通りにいかないこともある。損失を最小限に食い止めるためにも、いきなり大金を投じないで、余裕資金を残すようにしたい。 「株式投資も少額からスタートするのはもちろん、『卵は一つカゴに盛るな』という相場の格言もあるように、ひとつの銘柄だけに投資するのではなく、いろんな銘柄に投資したほうが安全です。最近、海運株ブームが続いていますが、持っている株が同じ業種の銘柄では分散しているとは言えません。いろんな業種に分散投資することで損失を最小限に食い止められます」 もう一つ大事なポイントは、「損切り」のタイミングだ。特に今年4月、日経平均株価が4万円を超えてから3000円以上値下がりした。大幅な値動きについていけない個人投資家が損切りをしたといった情報がSNS上で話題になった。 「損失回避バイアスといって、利益よりも損失のダメージの方が大きいので、損をすることが確定すると損切りができない。そのまま持っているとついには『塩漬け』になってしまうのです。買うときにどのタイミングで売るのか『出口』を決めておくと言いましたが、もう一つはサポートラインになっている移動平均線よりも下回ったら売るとか、具体的に決めるようにして下さい」 初心者は「全部の銘柄で利益が出ないといけない」と思いがちだが、すべてで勝とうとするとかえって負けてしまうという。そこで、投資家が使うのが「勝率」という考え方だ。
「プロ野球のペナントレースと同じで、年間140試合近くある中で、全部の試合に勝とうとするのではなく、この試合は負けても、次の試合は絶対に勝ちにいこう。そんなふうにメリハリをつけた戦略を練って、勝率6割を目指すのが、名将と呼ばれる監督のやり方です。株式投資もまったく同じで、何億も稼ぐ投資家も、すべて勝っているわけではありません。勝率6、7割くらいあればいいかな、くらいの気持ちでやっているほうがうまくいきます」 1年間で投資できる上限はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円だが、全部の枠を使い切ろうと無理をしなくてもいい。また、成長投資枠で株を売却した分の投資枠は翌年から再利用が可能になるので、再投資できるまで投資の勉強をしながら、新NISAで勝てる投資家を目指そう。 上岡正明(かみおか・まさあき) フロンティアコンサルティング代表取締役、MBA(多摩大学大学院博士前期課程)、一般社団法人日本認知脳科学協会理事。放送作家を経て立ち上げたフロンティアコンサルティングで放送作家を経て、27歳で戦略PR、ブランド構築、マーケティングのコンサルティング会社を設立し独立。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。起業と同じ時期に元手200万円で株式投資をスタートさせ、現在6億円超となり、その過程を綴った著書『日本株で新NISA完全勝利 働きながら投資で6億円資産を増やした僕のシナリオ』(アスコム)が話題に。
村田くみ