黒塗りなしで流出か 旭川のいじめ報告書 過去にも市議会議員に文書が届く 市教委は「遺憾」
STVニュース北海道
北海道旭川市で3年前、いじめにあっていた当時中学2年生の廣瀬爽彩さんが凍死した問題で、第三者委員会がまとめた最終報告書とみられる文書が、黒塗りされていない状態でインターネット上に流出していることがわかりました。 旭川市の中学校に通っていた廣瀬爽彩さんは2021年3月、公園で凍死した状態で発見されました。 廣瀬さんへのいじめが疑われるとして、第三者委員会は調査を実施しましたが、翌年、廣瀬さんへのいじめと自殺の因果関係は「不明」と結論付ける最終報告書を公表しています。 報告書の一部は遺族の意向をうけて、個人情報や廣瀬さんの尊厳に関する部分については黒塗りされた状態でした。 ところが… (金澤記者)「いじめ撲滅を訴えるウェブサイトに、旭川いじめ問題の最終報告書と思われるファイルが大量にアップロードされています」 24日にインターネット上に掲載されたのは、黒塗りされていない報告書とみられる文書です。 文書からは、廣瀬さんの具体的な行動や関係者の発言などが閲覧できる状態になっています。 サイトの運営者は、公開の目的について「爽彩さんが、何に悲しみ、苦しんでいたのかを、社会に、正しく理解して貰うため」などとしています。 一方、旭川市教育委員会によると、黒塗りされていない報告書は、一部の管理職や文部科学省などに閲覧が限定されているといいます。 (旭川市教育委員会 野崎幸宏教育長)「遺憾というか残念だなと。本物かどうかを言うとそのものだということになるので、うちが公表したみたいになるので、そういうのも含めて検討したい」 実は、報告書の流出疑惑は今回が初めてではありません。 2023年9月、一部の旭川市議会議員のもとに、黒塗りがない最終報告書とみられる文書が届いていたことが明らかになっています。 専門家は、教育委員会の情報管理が不十分だと指摘します。 (札幌学院大学 川原茂雄教授)「本来、外に出てはいけない、関係者以外が見てはいけないものだったと思う。これが外部に出たこと自体が非常に驚きですね。どういう情報の管理をしていたのか、市教委は説明責任が求められるのではないか」 教育委員会は公開された文書を調査し、対応を検討するとしています。