カマラ・ハリスのために4時間で「約2億3千万」が集まる。4万人の黒人女性が団結し、"組織力の高さ"が話題に
2024年7月21日、ジョー・バイデン大統領が「次なる米大統領選挙の再選を目指さない」と発表し完全撤退を決めた。それにより、すでにカオス状態になっていた今回の選挙は、またしても大きくひっくり返った。 【写真】政治界きってのオシャレ番長!カマラ・ハリスのパワーユニフォーム集 数時間後にバイデン大統領は自分に代わる民主党の大統領候補として副大統領のカマラ・ハリスを支持することを表明。他の民主党の重鎮や州の代議員も彼女への支持を誓った。そして、翌日。驚異的な組織力の強さを目の当たりにする、一つのニュースが飛び込んできた。バイデン大統領が撤退を発表した21日の夜に、約4万人の黒人女性がZoomで集まり、そこからわずか4時間もしないうちにカマラ・ハリスのために150万ドル(約2億3000万円)の資金を集めたというのだ。 これは、2020年に設立された支援団体#WinWithBlackWomenの努力の成果。そこでUS版『ハーパーズ バザー』が、政治、IT、エンタメ業界と深い関係にあるNAACP(全米有色人種地位向上協議会)元職員で創設者のジョタカ・イーディーに、いかにしてこのような組織が、今回のような素晴らしい成果を迅速に実現できたのか、話を聞いた。
Q:まず、私はこうした呼びかけが計画・実行されたことに驚いています。どのように、ネットをパンクさせずにZoomで4万人も集めたのでしょう?
ーー今回の成果は、多くの献身的な黒人女性が全身全霊を捧げた結果です。素早く機能を拡大して、「何かしたい」「連帯したい」と希望する人々を速やかに招待できるよう、Zoomとそのエンジニアたちが手を貸してくれたので、予め調整ができました。彼らには非常に感謝しています。
Q:計画はいつから?どのようにして、ここまで迅速にまとめたのでしょう?
ーー私たちは2020年8月から、ほぼ毎週、日曜日の夜にミーティングをしてきました。約4年前に始めたことなので(選挙戦のターンと共に)一周回ったような感じですね。私たちは黒人女性リーダーたちの集まりで、世界規模で活動する大きなネットワークです。私たちリーダーが、黒人女性のあらゆる側面を代表しています。メンバーは、シリコンバレーやビジネス、企業、社会運動をする黒人女性でもあり、選挙で選ばれた議員もいます。 もともとは、2020年に副大統領候補が誰になるかをめぐり、人種差別や性差別に懸念を共有していた人々が集まったのが発端でした。2020年8月1日当時は90名程度でしたが、そこから現在では5000人を優に超える黒人女性リーダーのネットワークに成長しました。 今、この世の中で起きている問題を一つでも解決すべく、日曜日の夜は大抵いつもミーティングをするのです。ケタンジ・ブラウン・ジャクソン最高裁判事の承認(米国の最高裁判事に初の黒人女性が就任したニュース) や、WNBA(女子バスケットボール)選手協会と歩調を合わせ、ロシアで拘束されたブリトニー・グライナー選手を帰国させる取引を求めて公開書簡も出しました。 アメリカで最も有名な黒人女性司会者、オプラ・ウィンフリーさんも会議に加わったことがあります。選挙に出馬したことのある黒人女性はほぼ全員、会議に出席したことがありますね。バスケットボール監督のドーン・ステーリーから、今は亡き偉大な俳優のシシリー・タイソンまで。 そういったわけで...、私たちは毎週日曜のミーティングを欠かさなかった。こないだの日曜日も、いずれにせよ通常通りミーティングを行う予定だったのです。ですが、そこに大きなニュースが飛び込んできた。バイデン氏の撤退とハリス氏への支持というビッグニュースを聞き、速やかに議題を変更しました。元々は500~1000人のZoom会議を予定していましたが、当日の参加者はすぐに44,000人へと膨れ上がったのです。