首相退陣唱える自民議員に冷めた声 野党幹部や首長は「正々堂々とやれ」「私ならしない」
自民出身の愛知県の大村秀章知事は25日の記者会見で、平成8年の衆院選で初当選した同期の菅氏について「盟友として気持ちも考えも分かる」とした上で、「国会が終わったとたんにそういった声が出るのは違和感を覚える」と批判した。
■「正々堂々やれ」
大村氏は21年に麻生太郎内閣で厚生労働副大臣を務めていた当時を振り返り、「麻生首相を一生懸命支えたとの思いがあった一方、党内でいろいろな発言がいっぱい出て、収拾がつかなかった。『一体なんなんだ』と。その後の衆院選で自民党は大敗し、私自身も内心じくじたるものがある」と語った。
当時は麻生氏に対し与謝野馨財務相(当時)や石破茂農林水産相(同)らが公然と退陣を訴えていた。
大村氏は「総合すると、皆さんイレギュラーなことを言うのではなく、9月の総裁選に向けて正々堂々とやられたらいい。(今回は)石破氏もそういっている」と語った。首相の求心力低下を内外に印象付けるような手法に反発したとみられる。
大村氏は、岸田首相に対しては「個人的な見方だが、よくやっているのではないか。政治資金規正法についても形にした」と語った。
経団連の十倉雅和会長も25日の記者会見で、首相について「デフレからの完全脱却、成長と分配の好循環について数多くの施策を非常に熱心に着実に打たれている。外交もG7(先進7カ国首脳)などで着実に堅実に進めている。私は評価する」と述べ、「支持率は国民の声だ。謙虚に受け止めて、政治改革にスピード感をもって取り組んでほしい」と語った。(奥原慎平)