「2歳半までに虫歯菌に感染しなければ生涯虫歯にならない」?? 番組に異論→日テレ「年齢の区切りが強調されすぎていた」
「科学的な事実は、時間とともに変わっていくことがあります」
「2歳半までにミュータンスレンサ球菌に感染しなければ生涯虫歯にならない」との説明についてはどうか。 日本口腔衛生学会は、「ミュータンス菌が検出されないむし歯患者が存在するということが論文で報告されています」と説明。さらに、ミュータンスレンサ球菌以外の菌を原因とする虫歯は、2歳半以降にも感染することがあるため「誤りだと考えられます」とした。 今回の番組で放送されたような情報が広まっていることを受け、日本口腔衛生学会は積極的に情報発信を続けていきたいとした。 「ミュータンス菌の感染は、当時としては感染を防げば良いという考えがありました。しかし、その後、『ミュータンス菌が親から感染することがあるのは事実だが、感染を予防するのが難しい』ということが分かってきました」 と経緯を説明。「どのような分野でも、科学的な事実は、時間とともに変わっていくことがあります」とする一方、「すべての人の認識が一瞬で変わるようなことはございません」という。「私たちとしては引き続き、情報発信をしていきたく考えております」とした。
虫歯菌に感染しないことは「至難の業」と伝えたと説明
日本テレビのマーケティングコミュニケーション部は11日、J-CASTニュースの取材に、2歳半までの間にミュータンスレンサ球菌に感染しないことは困難であることも合わせて放送したことを伝えた。 「複数の専門家の監修のもと、乳歯が増えてくる1歳半から、口内細菌のバランスが決まってくる2歳半の間が、一般的な虫歯にならないために最も注意を要する時期であることを放送したものです」 「この時期までに虫歯菌の伝播がなければ基本的には虫歯にならないものの、生涯というスパンで考えた場合にそれは至難の業であり、多くの人が虫歯と戦っていかなくてはならない旨も合わせてお伝えしました」 さらに、日本口腔衛生学会の声明は把握していたものの、「当番組では食器の共有だけでなく、口移しなどによる唾液での菌の伝播について広く扱ったものです」と説明した。 一方で、1歳半から2歳半という年齢を強調した点については、 「年齢に多少の幅があることには触れなかったため、年齢の区切りが強調されすぎていたかもしれません。こうした点につきましては今後の番組制作に生かしてまいります」 とした。