米CPIとFOMC、ビットコインとドルに影響を与えるポイントは?
6月12日は、暗号資産(仮想通貨)市場にとって正念場となる可能性がある。重要なアメリカの消費者物価指数(CPI)の報告が、連邦準備制度理事会(FRB)の会議のわずか数時間前に発表されるからだ。 アメリカ労働省が発表する消費者物価指数(CPI)は協定世界時(UTC)6月12日午後12時半(日本時間午後9時半)に発表されるが、FactSetによると、4月の前月比0.3%上昇に続き、5月は0.1%上昇すると予想されている。これにより、年間インフレ率は3.4%で安定的に推移することになる。一方、変動の激しい食品とエネルギーの指標を除いたコアCPIは、4月と同様に5月も前月比0.3%上昇すると予測されている。 その後、UTC午後6時(日本時間13日午前3時) に、FRBは基準金利を5.25%~5.5%で据え置くことと、金利ドットプロットチャートを発表すると予想されている。インフレデータは、ドットプロット予測とパウエル議長の会議後の声明に影響を与えるだろう。 ドルインデックス(DXY)とビットコイン(BTC)に影響を与える可能性のある、注目すべきポイントを紹介しよう。
コアインフレ率、家賃の上昇率
投資銀行によると、コアCPIには下振れのリスクがある。 「食料とエネルギーを除いたコアCPIは、正常な水準に見える前月比0.2%の上昇により、3.5%に(4月の3.6%から)に低下すると予想されている。また、FRBの政策立案者が注視しているコアサービス(家賃を除く)の前月比上昇率の低下に伴い、家賃価格の上昇率も鈍化すると考えられる」とカナダロイヤル銀行(RBC)のエコノミストはプレビューで述べている。 INGによると、コアCPIバスケットに40%のウェイトを占める無形資産である帰属家賃(Owners' Equivalent Rent)が最終的に低下すると予測するエコノミストもいる。 ここ数カ月のインフレの粘り強さの要因の1つである住宅価格の上昇圧力が緩和される可能性があり、FRBによる金利引き下げ期待が高まり、ドル安につながるかもしれない。ドル安は、しばしばビットコインを含むリスク資産の値上がりを伴う。 JPモルガン(JPMorgan)によると、前月比コアCPIが0.4%を上回れば、ドル高が進む可能性が高い。 CoinDeskのデータによるとビットコインは6月7日以降、下落圧力を受け、5%以上値を下げて6万7350ドル付近で取引されている。ドルインデックスは、主要通貨に対するドルの価値を示す指数で、1%上昇し105.20となった。