中国、AIに恋する若者たち 少子化拍車の懸念も
【北京共同】人工知能(AI)が中国人の恋愛観を揺さぶっている。画像や音声を生成できるAI技術を活用したバーチャル(仮想)恋人との会話サービスに夢中になる若者が増加。デート費用などの負担が軽く手軽さが好評だ。人口縮小への危機感を抱く当局にとっては“逆風”で、少子化に拍車がかかる懸念もくすぶる。 米メディアによると、中国における「AIフレンド」市場は新型コロナウイルス流行後に急拡大。バーチャル友人をつくることができる米国発アプリの2021年1~7月の中国におけるダウンロード数は5万5千件に上り、20年通年比で倍増した。利用者は1990年代半ば以降に生まれたZ世代が中心だ。 中国では長年の「一人っ子政策」の影響で男女比が不均衡で、男性に対して女性が少ない。景気低迷も相まって恋愛や結婚離れが進んでおり、中国共産党は危機感を強める。清華大AI国際統治研究院の梁正副院長は「AI伴侶の影響が増せば、多くの人がバーチャル上の交流を選び、実際の人間関係をあきらめてしまう」と、サービスを制限するよう訴えた。