「子どもを投げてつぶしたい」保護者が暴いた“保育虐待”の実態 記録された保育士たちの異常な暴言行政の限界も…なぜ防げない?【news23】
■「まずは園長と職員で確認」行政の限界…保育施設の虐待なぜ防げないのか 保育士A「うるさい、やめてそれもう。やめて。やかましい、やかましい」 音声が明らかにした深刻な虐待の実態。園や市がもっと早く事態を把握し、動くことは出来なかったのでしょうか。 関係者や園の報告書によると、録音をする数週間前に、保護者は園に「子どもが先生を怖がっている」などと相談をしていました。しかし園は「まだ慣れていないだけ」などと回答したということです。 2歳児クラスの部屋には「防犯カメラ」が設置されていましたが、映像を確認したのかどうか、園は明らかにしていません。 保護者は八尾市にも相談をしていましたが、市からは「話だけでは難しい」などと言われ、自ら録音せざるを得なかったということです。八尾市は取材に対し、「市としても確認をしようとしていた」とした上で、まずは園が調べるのが原則で、行政の権限は限られていると話します。 八尾市 福祉指導監査課 萩原伸 課長 「立ち入り検査法上で認められているなかでも条文にもありますけど、『犯罪捜査のための権限ではない』という規定がある。(行政が)何もかもひっくり返して調べ上げるぞみたいなことがどこまでできるのかっていうのが、そんなに明確なものはなくて」 八尾市 保育・こども園課 和島あかね 課長 「まずは園長先生と職員でしっかり確認していただいて、その状況をしっかり報告してもらうのが、そこが一番になります」 今回、八尾市は園に対し特別監査に入ったものの、「改善がみられる」などとして処分は行わず、公表もしていません。 2023年、国の調査で明らかになった全国の保育施設での虐待の件数は「122件」。専門家は「まだ明らかになっていないケースは多い」と指摘します。 保育園を考える親の会 顧問 普光院亜紀さん 「(子どもに)何があったの?と聞くと、実際は大人のように時系列に話せなかったり、2~3歳だと自他の区別もつかない。保護者自身で証拠を集めなければいけないこと自体が、とてもおかしいこと。防犯カメラの映像も行政がチェックするくらいのことがあっていいのではないか。なぜ防げなかったのか、大人たちがちゃんと見つけておかないと、また起こります」