横浜聡子監督が孤高の漫画家・三好銀の代表作を映画化 「海辺へ行く道」2025年公開
「ウルトラミラクルラブストーリー」「俳優 亀岡拓次」の横浜聡子監督が、漫画家・三好銀氏の最高傑作と名高い「海辺へ行く道」シリーズを実写映画化することがわかった。2025年晩夏に公開される。 寡作が故に次作を待ち焦がれる映画ファンを多数抱える横浜監督が、愛して止まない傑作漫画の映画化に挑んだ。アーティスト移住支援をうたうある海辺の街が舞台。何やらあやしげな“アーティスト”たちが行ったり来たりするこの街でのんきに暮らす14歳の美術部員・奏介とその仲間たちは、大好きなモノづくりをしながら、縦横無尽のイマジネーションでどこまでも世界を愉快にする――。 横浜監督は「2010年に『海辺へ行く道』に出会った時、もし映像化されることがあるとしたら他の誰にも撮られたくない、と思った(と同時に映像化はいかにも困難な作品だと怖れた)。三好銀さんの描く世界では、種々雑多な人や出来事がごく当たり前に、超然とそこにある。それを多様性と呼ぶまでもなく、世界はそもそもが多様なものなんだと気付く。存在して大丈夫なのだと、いつも励まされる。2024年、幸いにしてこの映画を作ることができたが、まだゴールじゃない。とめどない想像力をたずさえて道を行く三好さんの軌跡を、私はずっと追い続けるだろう」と映画化について語る。 原作者・三好銀氏の息子であり、アーティストの三好風太は「原作をなぞるわけでも、かといって蔑ろにするわけでもない、横浜監督の不思議な手つきによって、気づいた時には異界へと誘われていました。その手つきは、ときに軽やかでときに不穏な、劇中のアーティストたちの不定形な振る舞いとも、重なっているのかもしれません。父の遺した物語から出発しつつ、全く違った景色へ連れ去ってくれたことを、とても嬉しく思います」とコメントを寄せている。 映画「海辺へ行く道」は、2025年晩夏全国公開。